密告者は誰か

劇場公開日:

解説

刑事殺しの犯人を追求したアクション・ドラマで、「国定忠治(1958)」の共同脚本を執筆した高岩肇と熊谷久虎のオリジナルを「智恵子抄(1957)」の熊谷久虎が監督した。撮影は「ちゃっきり金太」の山田一夫。出演は新人の夏木陽介が抜擢された他、白川由美・水野久美・扇千景・横山道代らの女優連が参加する。

1958年製作/80分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1958年11月18日

ストーリー

アパート荒しの容疑者須藤慶一は、踏み込んだ刑事を射殺して姿をくらました。その晩、慶一の情婦あけみは、暗い路地に引っぱりこまれた。あけみ恋しさに現れた慶一だった。あけみの知らせをきいた警官隊は、二人が密会を約した場外馬券場を包囲した。しかし慶一は現れなかった。慶一には静岡にいる母の外に、二人の姉が都内にいた。上の姉さち子は働きのない夫と子供をかかえて、その日暮しのアパート生活。下の姉はファッションモデル。レーヨン会社の社長の息子榊原と、この騒ぎを知らずに箱根にドライブに出かけた。刑事や報道陣は肉親の許にも張込んだが、依然として慶一は現れなかった。その頃、アパートに房った峰子は刑事から事件の真相を知った。仰天した榊原は自動車に乗って逃げ出した。その後を追う峰子。二人を乗せた自動車の座席の背後に慶一が現れた。彼はトランクの中に隠れていたのだ。峰子と慶一が争っているすきに、榊原は二人を残して車を走らせた。呆然とした峰子は、警察に通報して毒を飲んだ。慶一が静岡で捕った知らせが届いた。警官たちが引上げてがらんとしたさち子のアパートに慶一が現れた。静岡で捕った犯人は間違いだった。さち子の知らせで刑事たちがかけつけたときには、もう慶一の姿はなかった。慶一には京子という愛人がいた。キャメラマンの中尾は、いつか慶一が京子のところに現れると確信していた。ついに、逃亡中の犯人の姿をカメラに収めることに成功した。必死の逃亡に疲れ果てた慶一は、一命をとりとめた峰子のもとへ電話した。それからなつかしい母の声を聞いた。母の呼出しに慶一はとうとう警察の包囲陣につかまった。母はアパートの屋上にいる息子に声を限りに呼んだ。慶一は我を忘れて、母にしがみついた。だがその時すでに母は発狂していた。慶一は自分の名を呼びつづける母をふりかえりみながらひかれていった。

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