その口紅が憎い

劇場公開日:

解説

「仇討」の橋本忍と「幕末残酷物語」の国弘威雄が共同でシナリオを執筆、新人長谷和夫が監督した風俗もの。撮影は「大根と人参」の長岡博之。

1965年製作/92分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1965年5月16日

ストーリー

三流業界紙社長倉本はふとしたことから羽田空港を舞台としたニセドル事件に興味を持った。航空会社のソリスターである及川利恵の、賭けごとに妖やしいまでに熱中する姿を見た倉本は、ニセドル事件に関係あると直感して、利恵に近づいていった。一方警視庁第三課部長刑事宮下や横溝刑事もヤミドル事件を追及中であった。利恵に接近した倉本は、彼女から二十ドルのニセ札を手に入れ、利恵の背後関係を追及していた。そんな倉本の背後に、殺し屋八代の銃口が光っていた。倉本を愛する彼の社員久子の心配をよそに倉本は利恵に組織について激しく詰問した。やがて二人は、激しく愛しあうようになった。その頃利恵は大きな野望を抱いていた。組織のボスを裏切って、ある商事会社を手玉にとり、三十万ドルのニセドルを、一億二千万の邦貨にして、倉本とブラジルに脱出しようとする企みであった。野望は運よくはこび、実行に移された。だが倉本は、利恵とは反対に深く悩んでいる様子であった。やがて二人は旅客機に乗りこんだが、倉本は飛行機を降りて警視庁に通報した。その頃利恵は八代の拳銃で傷ついていた。倉本の変心には悲しい理由があった。倉本はかつて名バイオリニストと期待されフランスに旅立った妹がいた。その妹が、ヤミドル騒ぎにまきこまれ、ついに自殺をしたのだ。以来倉本の心に執拗にヤミドル事件はまといついていたのだった。一人スタンドにかけて、グラスをかたむける倉本の脳裏を、利恵の面影が通りすぎた。カウンターの上に利恵の好きなビラヴエド・リップが静かに置かれていた。

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