僕たちの失敗

劇場公開日:

解説

読売新聞連載石川達三原作から、「閉店時間」の白坂依志夫が脚色「ある大阪の女」の須川栄三が監督した青春篇。撮影は「虹の空」の内海正治。

1962年製作/94分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年9月1日

ストーリー

福田信太郎は大学の法科を出て法務省に勤めたが、サラリーマン生活を嫌ってカメラ工場の工員になった。出世よりも自由--これが彼の憲法である。母八重子と二人ぐらしの彼は、女工員伊吹まさ子に三年契約の結婚を申し込んだ。工場長の媒酌で形ばかりの式をあげた。新婚旅行の温泉宿で、まさ子はいつまでも新鮮な夫婦でいるため、別居生活を提案した。稲垣という工員の子供が病気で死んだ。通夜の帰途、信太郎は妻と同じ職場の徳丸恵子とダンスホールで踊った。恵子はまさ子より、遙かに積極的な女だ。彼女は妻のある信太郎に、愛の告白をした。好きな人を勝手に愛すだけで愛されることは要求しない主義である。その晩、二人はいかがわしい旅館に泊った。郷里で教員をしているまさ子の父が、十万円の無心に来た。借金の保証人になって欺されたという。信太郎は今後の絶縁を条件に、愛用のルノーを売った。それと前後して、まさ子は信太郎に無断で、アパートを変えた。夫の反応をためしてみたかったのと、妊娠と判って新しい生活の設計をしたいからであった。信太郎は産むなと叱るが、まさ子は承知しない。母の八重子が再婚したいと仄めかしたとき、信太郎は喜んだ。が、母の恋人が工場長だと知って、耐えがたい屈辱を感じた。工場長が信太郎を社員に登用したいという理由が判った。信太郎は愚劣な母に我慢できず、別れようと決心した。一方、恵子は若林とスキーに出かけ、帰ってくると豊田と盗んだ車で関西旅行という無軌道ぶりだ。嫉妬に狂った若林は、ナイフで恵子を刺した。病院の一室で顔中繃帯を巻いた恵子は、若林と結婚して一生苦しめてやるのだ、と信太郎にいった。まさ子から生れる子供のために工場をやめると聞いた母は、工場長に詑びてくれと信太郎に迫った。だが、信太郎は不意に姿を消した。数カ月後の深夜、信太郎はダンプカーを飛ばしていた。フロント・グラスに叱きつける雨の音は、カメラ工場の機械の騒音を思い出させた。

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