レ・ミゼラブル コゼットの恋

解説

レイモン・ベルナールが監督に当たった“レ・ミゼラブル”三部作の第二部で、「ジャン・バルジャン」の続編である。スタッフは同一につき省略する。出演俳優は「ジャン・バルジャン」と同じくアリ・ボール、シャルル・ヴァネル、シャルル・デュラン、マルグリット・モレノ及び子役ギャビー・トリケのほか、新たに成長したコゼットに我国には初めてのジョスリーヌ・ガエル、「別れの曲」「熱砂の果て」のジャン・セルヴェ、「最後の億万長者」のマックス・デアリー、マルセル・パニョオル夫人でフランス劇、映画界の花形女優の一人たるオラーヌ・ドマジス、「戦いの前夜」のロベール・ヴィダラン、無名より抜擢された子役エミール・ジュヌヴォア、フランス新劇界の若手腕利きリュシアン・ナット等が演じている。

1933年製作/フランス
原題:Les Miserables Les Thenardier

ストーリー

哀れなファンティーヌが、最後の呼吸を引きとるまで呼び続けていた娘コゼットは、モンフェルメイユの宿屋テナルディエ夫婦に日夜こき使われていた。獄を破ったジャン・ヴァルジャンは、クリスマスの夜ここへ到いた。強慾なテナルディエ夫婦は法外な金を要求したが、ジャン・ヴァルジャンはファンティーヌの手紙を突きつけ、養育料を全部支払ってコゼットを連れ去った。それから十年の月日が流れた。ジャン・ヴァルジャンはフォーシュルヴァンの名で世に潜んで、美しく育ったコゼットの愛と貧民への慈善事業に平穏な生活を送っていた。十六のコゼットはマリュースと呼ぶ青年と恋仲であった。しかし彼女の愛を少しでも他の者に奪われたくないフォーシュルヴァンは、コゼットを連れてイギリスに渡ろうと決心していた。マリュースは王党の名家ボンメルシイ家に生まれながら、亡父の意志を継いで共和党に走り、頑固な祖父ジルノルマンの家を出て貧民窟の一室に住み、アンジョーラ一味の青年党に加わっていたが、或日コゼットとの結婚を許して貰おうと祖父を訪れたが撥ねつけられてしまった。マリュースの隣室に住んでいるジョンドレットと云う悲惨な一家は、どん底に落ちたテナルディエの家族であった。姉娘エポニーヌは秘かにマリュースを恋している。息子のガヴローシュは家を飛び出した浮浪少年であるが、マリュースを尊敬していた。フォーシュルヴァンは此の家へ施しに出掛けた。その昔のテナルディエ一家であるとは知る由もない彼が、再び金を持って訪れた時、早くも見破ったテナルディエは仲間を駆り集めて待っていた。それを知ったマリュースは、フォーシュルヴァンを救うため警察へ訴えて出た。そして彼が会った警視はジャヴェールだった。家の中で騒ぎが起こったら窓から合図をする打ち合わせをして、マリュースは家へ帰った。しかし隣室の話題を聞いたとき、彼の心は動揺した。始めて聞くテナルディエと云う名は、父の遺書に「ワーテルローの戦いで余を助けたテナルディエに出逢わば能う限りの力を尽くしやるべし」と書いてあるその男なのだ。隣室ではジャン・ヴァルジャンと悪党等の激しい争いが始まったが、マリュースは合図を躊躇した。耐りかねたジャヴェールは遂に警官を卒いて飛び込み、悪漢等は一網打尽となった。だがジャン・ヴァルジャンは隙を見て窓から逃げ去った。「一番の大物を取り逃したらしいぞ」。ジャヴェールはすぐロンム・アルメ街のフォーシュルヴァンの家を訪ねたが、又してもジャン・ヴァルジャンは逃れた。その時コゼットはブリュメ街の別宅でマリュースと逢っていた。そこへ現れたフォーシュヴァンはマリュースを追い返したが、悲しみに泣伏すコゼットを見ると、青年の祖父に逢って話してやると慰めるのだった。父と娘が並んで見下している町の街路を、囚人馬車に乗せられた多数の囚人達が徒刑場へ送られて行く。「あれでも人間でしょうか」と聞く娘に、父は「そうだ、時としては」と静かに答えるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.0美しい娘?を可愛がるジャン・バルジャン

2023年2月18日
Androidアプリから投稿

こちらは第二部で、成長したコゼットが出てくる。第一部に比べると華やかで「悲惨さ」の影は薄い。美しい娘を目に入れても痛くないほど可愛がる親バカの様相を呈しているように感じなくもなく、(本当はそうではなく、彼はひたすら自分の使命を果たしているだけなのだけれど)、前作ほど緊張する場面がないため少し拍子抜けな作品に感じる。少し気分的な休憩はできる。

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あまおと
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