汚れなき旅情

劇場公開日:

解説

美しいエーゲ海やアテネを背景に、青年と少女の心の交流を描く。監督はヴァシリス・ジョルジアディス、脚本はヤコボス・カンバネリス、撮影はニコス・ガルデリス、音楽はスタヴロス・サルカコスが各々担当。出演はアン・ロンバーグ、ヤニス・ヴォグリス、コスタス・バカス、ミランダ・ミラなど。

1968年製作/ギリシャ
原題:Girl In The Sun
配給:東京第一フィルム
劇場公開日:1972年1月15日

ストーリー

イギリスの若い娘アン(A・ロンバーグ)は夏の休暇を利用して、友だちとギリシャ旅行を楽しんでいた。ある日、アンが一人で羊の群れにカメラを向けていると、土地の青年(Y・ボグリス)が近づいてきた。何となく不安を感じたアンは、いきなり逃げだした。少女を追いかける青年を見た村人は青年を捕まえて警察につきだした。しかし、考えてみればアンは何もされていないのだ。事情を説明するために警察におもむいたアンに、青年はポケットから取りだしたアマンドを差しだした。彼にしてみれば、彼女にアマンドをあげたかっただけなのだ。アンの必死の説明も、英語のわからない署長には通じない。アンは彼が釈放されるまでここにとどまることにした。アンは差し入れのために毎日警察を訪れた。それからしばらくして青年が釈放されアンは旅立った。青年は、彼女の姿が見えなくなったとたん、淋しさがこみあげ、彼女のあとを追った。初めて見る大都会でうろうろしながら、ホテルを捜し当てた。アンにとって、彼は旅のゆきずりに知りあった一青年にすぎなかったが、その素朴さに惹かれ、一夜を共にした。翌日、アンはイギリスに帰らなければならない。二人はアテネ空港に向った。青年はアンの姿を見失なうまいとデッキを走った。ジェット機は飛び立ち、夏の日の恋は終った。それはアンにとっては苦く切ない青春の旅情の一コマであり、初めて女性を愛した青年にとっては、生涯忘れ得ぬ恋物語となった……。

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