雪辱の大快戦

解説

サタデイ・イヴニング・ポースト誌に連載されたラリー・エヴァンス氏作の小説「一度はすべての男に」を映画化したものでリリー・ヘイワード女史が脚色し、「アイアン・ホース」「香も高きケンタッキー」等と同じくジョン・フォード氏が監督したもの、主役は「アイアン・ホース」「戦禍」等出演のジョージ・オブライエン氏が演じ、相手役は「虚栄地獄」「西部の星影(1925)」等出演のビリー・ドウ嬢で、J・ファーレル・マクドナルド氏、ダイアナ・ミラー嬢ヴィクター・マクラグレン氏等が助演するボクシング劇である。因みに比の原作に基いて映画化されたフローマン映画「最後の栄冠」は大正九年十二月我国でも公開されたことがある。

1925年製作/アメリカ
原題:The Fighting Heart

ストーリー

ボルトン家はボルトンウッドの町の名家だったが代々酒豪で次第に家運が傾き、当主デニー・ボルトンは酒飲みの祖父を捕け家運挽回に勉めた。彼にはドリスという恋人もあり彼は遺伝的な酒癖を征服すると誓った。独立記念祭の折彼の祖父はソーピー・ウィリアムスに酒を飲まされ行列に参加せず町民の侮辱を招いたのでデニーは憤ってソーピーを懲しめた。その後ソーピーはニューヨークでボクシング選手となり帰郷してデニーに侮辱を加えた。発憤したデニーはニューヨークに出てボクシングを修業し、ソーピーと試合することになった。ソーピーはヘレンという女優をしてデニーを遊蕩生活に誘はしめた。その結果試合はソーピーの勝となった。失望落胆したデニーは故郷に帰ろうとする折ソーピーに衆人の面前で辱められたので堪忍袋の緒を切ってソーピーを撲り倒した。故郷にはドリスが彼の帰りを待っていた。かくて名誉と愛とをデニーは獲た。

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