最後の演技

解説

「笑う男」「ある男の過去」と同じくコンラッド・ファイト氏が主演した映画で、ジェームズ・アシュモーア・クリールマン氏が原作並びに撮影台本を書いたものを「ブロードウェイ(1929)」「ラスト・モーメント」のポール・フェヨス氏が監督したもので、俳優としては主演者のほかに「愛の巷」のメアリー・フィリビン嬢、「ブロードウェイ(1929)」のレスリー・フェルントン氏、「夢の港」のフレッド・マッケイ氏、グスタフ・パルトス氏、ウィリアム・ターナー氏、アンダース・ランドルフ氏その他が出演している。キャメラは「ブロードウェイ(1929)」「最後の警告」のハル・モーア氏が担当である。

1927年製作/アメリカ
原題:The Last Performance

ストーリー

ロシア生れの奇術師エリックは20年間養って来た弟子ジュリーに近頃では恋心を感じ始めた。バッフォという弟子は、かなり野心的な男で機会あればエリックの地位を奪おうと狙っていた。職を失い窮地に追われたマーク・ロイスという青年はエリックの部屋から食物を盗み出そうとして捕らわれたがエリックの寛大な心とジュリーの同情とから救われてエリック一座の助手となった。バッフォは新米のロイスを利用してエリックを陥れようと企てるがエリックの恩義に感じているロイスはバッフォの言葉を拒ける。ジュリーとエリックとは密かにそれを立ち聞いていた。エリックはニューヨークへ着いた第一夜に自分とジュリーとの婚約披露の宴を張ることになった。が、この自分は既に若いジュリーとロイスとの間には恋が芽生え、別れがたない間柄となっていた。バッフォは二人の仲をすでに感ずいていた。そしてこの宴会の日を選んで二人の仲をエリックに密告したのであった。エリックは激怒を隠してジュリーとロイスとの二人を婚約者として宴席に連なる人々へ披露した。やがて初日が来た。エリックはロイスに剣の奇術を代演させることになった。剣の箱の中へはバッフォが入った。が、恐るべし演技の終わるころ箱の中のバッフォは無残な死体となって現れた。勿論ロイスは犯人として挙げれれた。全ての証拠物件は彼にとって不利であった。ジュリーは純情を持ってエリックに迫った。彼女はロイスの無罪を信じていたのである。最後の判決の下りる日エリックは証人として立った。そしてバッフォを殺したのは自分であると告白する。短剣の早業でバッフォを殺し罪をロイスにきせればジュリーは再び彼の許へ帰るものと思っていたがジュリーの純情は動すべくもないので今一切を告白するのだと言いつつも自ら事件を立証する短剣早業の犠牲となって死んで行く。

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