劇場公開日 2013年8月9日

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「怪獣vsメカに、人間関係から生じる情動を掛け合わせ、素直にテンショ...」パシフィック・リム JIさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0怪獣vsメカに、人間関係から生じる情動を掛け合わせ、素直にテンショ...

2017年12月5日
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怪獣vsメカに、人間関係から生じる情動を掛け合わせ、素直にテンションが上がる映画。

冒頭、自信に満ちた顔で息ぴったりに歩く二人、そのままイェーガーに乗り込んで出撃していく。この一連のシーンだけですごく高揚感があった。SF映画の中でも特にデカイ人型メカだから、もはや歩いているだけで物凄い光景だ。

そして巨大な金属の塊をぶつける、パンチ。事故でも、特攻でもなく、巨大な人工物の激突が観られる体験は新鮮だ。丁寧な映像は、衝突の時のズシンとした反動も描写しているし、その衝撃に耐えるのもカッコいい。大工場のなかの機械とか、始めてジャンボジェット機を見たときの驚きとかに近いかもしれない。戦士としてだけでなく、人工物としてカッコいい。そこは、今まで日本の特撮やアニメではあまり表現できていなかったポイントかもしれない。
だが、カイジュウの攻撃を受ければイェーガーも壊れる。無理がかかれば、いくら強固なメカも耐えられない。巨大人工物の危うさも表現されていて、上質な緊張感がある。

音楽がすこぶる良い。冒頭の出撃シーンの高揚感も、結構音楽の力が大きい。イェーガーやパイロットたちの勇猛さが現れている。
気分を上げたい時、サントラ何度も聴いてしまう。

ツッコミどころは勢いでかき消される。何で人型兵器?とか、パイロットの選び方雑じゃない?とか、研究の科学者の人材なぜ少ない?とか、敵の世界のゲート付近にいる監視員っぽいカイジュウ、ビミョーでは?とか。……さすがに気になるときはあったから、☆5の評価にはできない。

ギレルモ・デル・トロさんの作品はパンズラビリンスしか観てなかったため、映画の雰囲気の差でもかなり驚いた。あのギレルモさんの映画でロボットヒーローが動いてる!先入観にやられた。
エンドクレジットの最初にビシッと示される、彼の名前。好きなことをやりきった男の勇姿が浮かんでコーフンした。ここで一番アガった。

JI