劇場公開日 2022年9月23日

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「なんといってもセシル・ドゥ・フランスの美しさ」ある秘密 梅薫庵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5なんといってもセシル・ドゥ・フランスの美しさ

2012年5月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

思わぬ拾い物の一本。

第二次大戦下、ユダヤ人の両親の
秘められた過去、禁断の恋を
二人の子ども、フランソワの眼を通して語っていく

強烈かつ情熱的な
ラブストーリーであると同時に
ユダヤ人として生きるか、
フランス人として生きるか
戦争、迫害という極限の状況で
究極の選択をせざるを得なかった
家族の人間ドラマでもある

現在をモノトーン
過去をカラーという描き分けも
意表をついてユニークだが
(普通は逆だろう)
内気な主人公フランソワ少年が
こころで空想する兄の存在が
両親の過去を遡っていくうちに
現実であったと徐々に
わかってくるあたりの描き方も秀逸

そのうえでなんといっても
セシル・ドゥ・フランスの美しさ
素肌を魅せるシーンが多いが
(濡れ場もしっかり)
彼女の持つ凛とはりつめた肉体美
神々しいまでのエロティシズムは
アメリカや日本の、当代の女優には
のぞむべきもないものだろう

めずらしくお気に入りの女優になった

梅薫庵