劇場公開日 2012年9月8日

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「里子の苦しみ」夢売るふたり Arcoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0里子の苦しみ

2016年5月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

爽快さの無いリアルな人間臭さ。
コミカルなイメージ大の阿部サダヲと、細かい表情での演技に長けた松たか子だからこそ、この作品の良さが出せたのだろう。

大金をポンと出してしまう女たちが何人か登場するが、私には貸す余裕もあげる余裕も貢ぐ気も無いので共感できず。
お金の話が出てきた時点で、警戒して冷めてしまうのでそこでおしまいだ。

でも、そういう女性が世の中に結構いるのも事実で、私の男友達Rなんかは十何年もヒモ生活できている。

Rが言うには、女が好きな男に金を渡す時というのは以下の3つなんだそうだ。

1、必要とされたい
2、面倒臭い
3、心から助けたい

そのうち3は本当にそうか疑わしいそうで、「もっと気に入られたい」または「優位に立ちたい」などの邪念が奥にある人が多いらしい。

1は、自信の無さ。
金なんか出せなくても、本当に愛があるなら必要とされるはずなのだから。

2は、楽しい“今”に水を差されるのが嫌だから、お金の話なんて聞きたくないから。お金で解決できることなら、ってやつだ。

この映画を見て、Rの話を思い出し、なるほどなあと思った。

しかしまあ、この映画の中で一番痛々しくて苦しいのは里子なのだ。
生理のシーン、ネズミのシーン、階段のシーンなど、里子の報われない気持ちが随所に強く感じられた。

Arco