劇場公開日 2011年12月1日

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「【”僕が癌を告知された時に、周りに居た人たちの本質が見えたんだ・・。”貴方の姿を見るのが辛いの・・、と去った恋人。変わらずに接してくれる親友。難病モノながら、爽やかなトーンが素敵な映画である。】」50/50 フィフティ・フィフティ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”僕が癌を告知された時に、周りに居た人たちの本質が見えたんだ・・。”貴方の姿を見るのが辛いの・・、と去った恋人。変わらずに接してくれる親友。難病モノながら、爽やかなトーンが素敵な映画である。】

2022年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■突然、癌を宣告された27歳のアダム・ラーナー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)。
 体に気を遣い健康的な生活を送っていたにもかかわらず、5年後の生存率は50%だと医者から重々しく告げられる。
 そんなアダムに対し周りにいた恋人レイチェル(ブライス・ダラス・ハワード)や両親は過剰なまでに心配し、レイチェルに至っては、新しい恋人を作り去って行く。
 そんな中、おバカな友人のカイル(セス・ローゲン)だけはいつもと変わらない態度で、アダムに接してくれる・・。

◆感想<Caution! 内容に触れています。>

・ジョセフ・ゴードン=レヴィットが主演だからか、癌にかかった主人公を描きながらも、ありがちな重いトーンになっていない事が良い。
ー 病院で、知り合いになった高齢の男性達の一人が亡くなっても、昨日まで彼と話していた男は”心臓が止まっただけさ・・。”と答える。哀しいに違いないのに、過剰に哀しさを出さない作風が良い。-

・アダムのおバカな友人カイルを演じたセス・ローゲンが、今作の作風を引き立てている。
ー 普段と変わらず、アダムに接する姿。癌なのに、一緒に女の子をナンパしに行ったり・・。けれど、彼は隠れた所で、癌について本を読んでいる事が一瞬分かるシーン。アダムがそれに気づきつつ、彼もカイルと今まで通りに付き合う。
 真の親友とは、カイルの様な人を言うのだろうなあ、と思う。-

・アダムと彼のセラピストになったアナ・ケンドリック演じるキャサリンとの関係性の描き方も良い。最初は、キャサリンが駆けだしと言う事もあり、ぎこちないが徐々に打ち解けて行く二人。
ー 恋人が去った、アダムを支えるキャサリン。
  そりゃあ、アダムにとっては大切な存在になるよな。-

<病気になった時に、自分の周囲に居る人の本性が分かるとは、よく言われる事だが、今作は正にその点を、敢えて明るいトーンで描き出している。
 難病モノにありがちな、暗い雰囲気を敢えて払拭した映画の作りも良いと思った作品である。>

NOBU