劇場公開日 2011年12月1日

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50/50 フィフティ・フィフティ : インタビュー

2011年12月1日更新
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ジョセフ・ゴードン=レビット、ほとばしる俳優業への敬意

「50/50 フィフティ・フィフティ」の主人公は、27歳という若さで生存率50%というガンを宣告される。それまで自分が死ぬことなんて考えたこともなかった若者は、戸惑い、落ち込み、過ちを犯していく。深刻で重いだけの映画になりそうだが、エモーショナルな物語のなかに、ユーモアがたっぷり盛り込まれたエンタテインメント作品に昇華しているのがこの映画の特徴だ。主人公をリアリティたっぷりに演じたジョセフ・ゴードン=レビットに、ロサンゼルスで話を聞いた。(取材・文/小西未来)

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——ガンというシリアスな題材をコメディタッチで描いているところがとても新鮮でした。

「うん。僕はとても理にかなったアプローチだと思ったんだ。このストーリーは、脚本を執筆したウィル・ライザーの実体験に基づいている。ウィルは闘病生活の末にガンを克服したとき、自らの経験をコメディとして描くことを決意したんだ。ほら、日常生活では、もっとも悲惨な状況でも、おかしなことが起きるものだ。そういう状況に出くわしたとき、たいていの人は戸惑い、笑いを我慢する。でも、ウィルは自らの体験から、そういう事態に直面したら笑ったほうがいいし、そのほうがずっと健全だと学んだんだ。笑いは最高の薬というけれど、まったくその通りだと思う」

——共演者でプロデューサーでもあるセス・ローゲンは人気コメディアンですが、共演にあたりプレッシャーはありませんでしたか?

「これは確かにコメディだけど、マルクス兄弟的なドタバタコメディじゃない。純粋なヒューマンストーリーのなかから沸き上がるような笑いで、『(500)日のサマー』と同じ。それに、そこらへんにいるコメディアンよりも、僕のほうがずっと面白いと思うし(笑)」

(C)HFPA
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——あなたはインディペンデント系の作品でキャリアを築きましたが、最近ではメジャー作品のなかにも「インセプション」のような野心的な作品がありますよね。

「その通り。『インセプション』は、観客をリスペクトした映画を作っても、きちんとヒットするということ証明してくれた。多くの超大作は、観客の知性を見くびってレベルを下げて作られている。そうした映画の多くが大ヒットしているのは確かだけれど、『インセプション』はレベルを下げなくても観客を動員できると示してくれた」

——ちなみに、ノーラン監督の新作「ダークナイト・ライジング」ではどんなキャラクターを演じているんですか?

「キャットウーマン」

——(笑)。

「ごめん、あの映画に関してはなにも話せないんだ。ただ、『バットマン』の物語世界の一部になることができて、とても誇りに思っているよ」

——スピルバーグ監督の「リンカーン(原題)」や、タランティーノ監督の「Django Unchained」など話題作への出演が続いていますが、「50/50」のような小規模な良作にも出演を続けていますね。

「自分をインスパイアしてくれる仕事を選ぼうとしているだけなんだ。低予算だとか大作だとかはとくに考えない。『BRICK』や『Mysterious Skin』を選んだ理由も、『インセプション』や『G.I.ジョー』を選んだ理由と同じ。映画のなかに僕を興奮させてくれる要素がある。役者としての新たなチャレンジこそが僕にとって大事で、そういうチャレンジがあれば、毎朝起きて現場に行くのが楽しくなるんだよ」

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