劇場公開日 2012年5月26日

「男でも必見!満足感の高いガールズ・ムービー!」ガール 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男でも必見!満足感の高いガールズ・ムービー!

2012年5月31日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

「セックス・アンド・ザ・シティ」は嫌いだ。
金持ち女たちのワガママ自己チュー話に過ぎず、しょせん住んでる世界も価値観も違うのだから、共感なんて出来る訳ない。

なので、この「ガール」は「セックス・アンド・ザ・シティ」の真似事なのでは?と思っていた。
だって、香里奈、麻生久美子、吉瀬美智子、板谷由夏、今をときめく旬な美女4人が華麗なファッションに身を包み、恋に仕事に人生に奮闘…という話だから。
しかし、実際見てみたら、あんな非現実的な話ではなく、しっかり地に足ついた等身大の話が綴られていた。

香里奈演じる由紀子は、オシャレ大好き女子。でも30も目前で、このままでイイのか?と思い始めた今日この頃…。(KYな彼氏も悩みの種)

麻生久美子演じる聖子は、バリバリのキャリアウーマン。ビッグプロジェクトを任されるが、年上男部下にナメられる日々にイライラは募るばかり。家に帰れば愚痴を聞いてくれる優しい夫が居るが、彼はこんなワタシに満足しているの…?

吉瀬美智子演じる容子は、恋もオシャレも忘れ、家ではマッサージチェアに座りながら缶ビールを一気飲み。ある日、新入社員の一回り年下のイケメンにフォーリン・ラブ。妄想が止まらない!

板谷由夏演じる孝子は、離婚経験のシングルマザー。一人息子の為に仕事復帰し、母親役は勿論、父親役にも奮闘。でもあんまり奮闘し過ぎて息子に気遣われ…

端から見れば、自由気ままに生きていたり、バリバリ仕事に生きていたり、恋人や夫や子供がいたり…と、“ピンク”に見えるかもしれないけど、当の本人たちは“ブルー”ばかり。
壁にブチ当たってもヘコんでも、それでも前を見て生きていかなきゃいけない…。
そんな4人の姿に、男の僕でも共感したり、元気を貰ったりして、非常に満足感の高い作品だった。

中にはやっぱり女性ならではのエピソードがあったりして、男としては身につまされるというか、目からウロコというか。
特に印象に残ったのは、麻生久美子、吉瀬美智子、板谷由夏の30代3人が悩みを話している内に急に険悪になり、「何でこんがらがっちゃうんだろう?」というシーン。
男だったら酒でも飲んでバカ話すれば忘れる所だが、女性は違うんだなぁ…。

世の男性諸君、必見!

最後に、この映画とは全く関係ないが、映画を見る前に知った新藤兼人監督の訃報に、改めてご冥福お祈りします。
長生きしてくれてありがとうございました。

近大