劇場公開日 2007年3月3日

「【桜の花びらがゆっくりと舞い落ちるように、成長していく少年の姿を軸に、幾つかの繊細な恋愛模様を山崎まさよしの「One more time, One more chance」に乗せて描き出した作品。】」秒速5センチメートル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【桜の花びらがゆっくりと舞い落ちるように、成長していく少年の姿を軸に、幾つかの繊細な恋愛模様を山崎まさよしの「One more time, One more chance」に乗せて描き出した作品。】

2020年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD

悲しい

知的

幸せ

ー今作は、「君の名は。」を鑑賞し、日本のアニメーターにこんな凄い人がいたのかと驚き、慌てて近隣のビデオレンタル店に駆け込んだが、長らく借りられず(ずっと、貸し出し中であった)漸く観て、その世界観と繊細な感情の機微を表現した作風に、彼の作品の原点を見た気がした作品。-

 第1話「桜花抄」
 小学6年生だった貴樹と明里の仄かなお互いへの恋心。
 そして、中学生になった貴樹が、栃木に引っ越しした明里を、雪が降る中訪ねて行く心の不安と、久しぶりに再会した二人の雪が舞う中の接吻と、朝日が差し込む中での二人の姿が、二人の未来を暗示するようなシーンが印象的。

 第2話「コスモナウト」
 貴樹も中学の半ばで東京から引越し、遠く離れた鹿児島で高校生生活を送っていた。
 同級生の花苗は、中学生のころから貴樹をずっと思い続けていたが、彼の心は別のところにあると知っていた・・。
 ー花苗自身の心中を自ら語るモノローグの言葉が、切ない・・。-
 種子島から発射されたロケットが、”二人のそれぞれの将来に祝福あれ・・”と言うことを暗示していたシーンが印象的。ー

 第3話「秒速5センチメートル」)
 社会人になり、東京で働く貴樹。だが、明里の事が忘れられず、付き合っていた理沙から”心が私に向かっていない‥””と指摘され、別れ、やがて会社も辞める。
 だが、春が訪れると、貴樹は昔から歩きなれた道の踏切である女性とすれ違い・・。

<絵は、未だ粗いが、その後の新海ワールドがこの時点で、既にほぼ出来上がっていたことが分かる短編連作集。醸し出す魅力は十分な作品群である。>

<2016年 DVDにて鑑賞>

<2020年10月11日 別媒体にて再鑑賞>

NOBU