劇場公開日 2007年3月3日

「「君の名は。」に感動した人は必見!」秒速5センチメートル naochan926さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「君の名は。」に感動した人は必見!

2018年5月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

萌える

109シネマズ二子玉川の「新海誠IMAX映画祭」で、「秒速5センチメートル」を観る。
 日本アニメ界の映像詩人、“Boy Meets Girl”を撮らせたら世界的にも彼に敵う人が少ない、新海誠のアニメ映画第3作、3部作計1時間ほどの短編。
家でDVDで観たときは、その繊細、精緻かつ大胆、流麗な映像美と(片方の)主人公の心情を語るモノローグが印象的だった。
 改めて映画館のIMAX大画面で観ると、確かにストーリーには突っ込みどころはいくつかあるし、映像美についても、最近の「君の名は。」や「天気の子」に比べるとやや粗く感じるものの、あくまで相対感であって、やはり映像作家としての新海誠の構成力の巧みさ、描写は基本的にリアルだが、煌めく空の色を表現する時の、打って変わったようなほかの映像作家にはない大胆でimpressiveな映像美とともに、1部と3部の遠野貴樹のモノローグ、2部の澄田花苗のモノローグ、そして語ることのない篠原明里の存在感、こうした“Boy Meets Girl”のSense of wonderが心に残り、新海節を堪能させられた。

 ストーリーとしては、ラストのフラッシュバックと主人公のいまの姿が胸に染みるが、この映画で終わってしまうのはさみしい。やはり、「言の葉の庭」での主人公の成長を経て、「君の名は。」、そして「天気の子」を観ることで、私たちはリアルな人生では味わえない、まさに、“pure”な“想い”の結晶化を目の当たりにするのだ。そういう意味では、「小さな恋のメロディ」を想起させられた。
リアルの世界があまりにも厳しい現実に晒されている中、私自身は、映画だけでもこうした“想い”を感じていたいとおもう。
 星は当然5つ。Yahoo映画では3.6、映画ドットコムでは3.4という評価は私的にはあり得ないが、他人の評価をとやかく言うよりも、こうした素敵な映画を心から楽しむことができる自分の幸せを感じるばかりである。未見の人は、世の中の評価など気にせず、映画館の大スクリーンで観ることをおすすめする。

naochan926