劇場公開日 2011年8月6日

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「一枚のハガキは名文です」一枚のハガキ aceさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0一枚のハガキは名文です

2011年9月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

ハガキの文面は美文、麗文ではない。しかし、夫を戦地に送り出した妻の心情を的確に表現した名文だ。
森川定造の出征は万歳三唱に送られてフレームアウト。白木の箱でフレームイン。
一兵卒の戦死はあっさりと表現される。それは国が人の命をいかに粗末にしたかということだ。
定造の妻の友子は次々と近親者を失う。戦争を呪って生きる。そして、のたれ死にする、と覚悟する。
定造からハガキを託された松山啓太はクジ運よく生き残った。
友子が戦争のために一人になったのが運命ならば、一枚のハガキによって啓太と結ばれるのもまた運命か。
友子は死のうと家に火をつけるが、それははからずも家とともに忌まわしき運命を焼き払い、新たな出発をすることになった。
クジ運よく生き残った啓太は友子と結ばれる。それは運がいいか悪いか、人生を終えるときに分かる。

ace