アウトレイジのレビュー・感想・評価
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今一度、観直すべき逸品
北野武監督にとって、15作目となる「アウトレイジ」。
「その男、凶暴につき」「ソナチネ」「HANA-BI」といったバイオレンス映画に定評があり、筆者も「HANA-BI」は大好きだが、やはり「アウトレイジ」は今一度しっかりと観直すべき作品である。
三浦友和や加瀬亮をヤクザ役に起用とする映画人は、これまでいそうでいなかった。
キャスティングの妙、テンポの良い脚本も含め、大人が楽しめるバイオレンス映画という珍しい立ち位置を確立することに成功した希有な作品。個人的に、続編よりもこれがお気に入り。
滅びの美学
北野作品は残忍さが言われるけど共通して最後は滅びる(中途半端でなく全滅)といった滅びの美学があると自分は勝手に思っています。今作品もどんなに繁栄しても悪は最後ボロボロになって滅びてしまうという表現が素敵でした。
仁義なき世界
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ヤクザのボッタクリバーに引っかかった客が実はヤクザだった。
このヤクザは逆にタカって侘び金を払わせるために、
引っかかったフリをして自分の組の事務所に集金に来させたのだった。
この2つの組は、組長が兄弟の杯を交わしている関係にあった。
この2つの組を含め多くの組を仕切る大親分の北村は汚い人間で、
これを機会に2つの組をうまく操って、両者のシマを奪おうと画策した。
まずは片方の組長を煽ってもう片方の組長を殺させた。
この実行犯はたけしだったが、組長に命じてたけしを波紋させた。
これに怒ったたけしをまたうまく煽り、組長を殺させた。
そして今度は組のNo2の杉本を煽ってたけしを殺させようとした。
たけしの事務所は襲われ、結局たけし以外全員死亡。
たけしは諦めて後輩の刑事に自ら逮捕された。
この刑事はたけしとつかず離れずの関係を築いていたのだが、
大親分ともつながっており、たけしを売る事も出来たが、出世を選んだ。
この後北村の側近の友和が裏切って北村を射殺。
さらには杉本も殺し、2人が殺しあったと嘘をついて大親分となる。
たけしは刑務所で、かつて痛めつけた奴に刺されて殺された。
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まさに血も涙もない、本当の意味での仁義無き戦いだった。
現代のヤクザってこんなに血も涙もないものなのかなあ。
それにしてもほとんどの主要人物が死ぬ。
2ではほとんどの人が2からの登場人物となることだろう。
ってか、最後たけしは殺されるんで、当初は2の予定はなかったのだろう。
でも何故たけしが最後自首したのかは謎。
仁義のない、金に汚いヤクザばかりの中で、たけしは筋を通す男だった。
昔のヤクザ映画で言えば、命を捨てて仇を倒そうとするはずだが・・。
それにしても椎名が警察にタバコを注意されて子供みたいにキレたり、
大使館を広い倉庫に引っ越させてそこでカジノを開いたり、
駐日大使に死体を埋めさせて、手伝いもせずに置き去りにしたり、
リスクとメリットの比が悪過ぎる、頭悪すぎるシーンも目立った(場)
しかし怖い映画やったなあ、劇場で見たらもっと怖かっただろう。
たけしの本は何冊も読んだが、学業優秀で大学まで行き、
しかも若くして売れて、若くして弟子を取って面倒を見て来た。
この人の人生にそう荒れた時期なんてなかったと思うのやが、
何故こんなにヤクザを描くのが上手なのだろう。
椎名桔平のかっこよさ
久々にエンタメに全振りした作品と思います。
それでもさすがは北野武監督作品といった印象を受ける本作。
ガチガチに凝ってはいないですが、誰が裏切り者なのか探る楽しさもあり、画的な美しさもあり、爽快なバイオレンス描写もあり。
細かく演技について指示しない、という話を聞いたことがありますが、それでいて作品がしっかりと出来上がるのがこの監督の手腕なのでしょうね。
さらっと内容に触れると関東の有力暴力団の本体から見て孫ぐらいの位置付けの零細暴力団のお話。
親も祖父母も難題ばかり押し付けてきて、苦闘している組があり、最終的には上層での駆け引きに翻弄されて、組が全滅してしまいます。
ただまぁそんな細かく考えず、
この人裏切るの?とか凄い暴力描写だ!とかって直感で楽しむ映画かと思います。
エンタメに振るならこれくらい作れるよ、という北野武監督の気概を感じる作品でした。
最高のヤクザ映画!最高の北野作品!
一年に一回は観たくなるヤクザ映画
組と組との抗争
親子も兄弟もあったもんじゃない
策略と裏切り
実際にこの国でいくら東京でもこれだけ派手にドンパチあるわけないでしょ
でもそれが映画ならOK
バイオレンスファンタジー
映画comのキャスト陣には名前がないが大友組の下っ端には柄本時生がいる
村瀬組でシャブを扱っているラーメン屋店主にマキタスポーツ
男性俳優は豪華な顔ぶれだが女性俳優は地味
大友の愛人役の板谷由夏しか知らない
水野の愛人役の渡辺奈緒子のヌードあり
クライマックスで加藤が会長を射殺する一連のシーンが一番の名場面
北村総一朗の迫力ある死に顔もなかなか
出世した加藤と片倉刑事のやりとりも好き
時々観返したくなる作品です。
もう何度も観ていますが、それでも面白いですね。
演出も映像、音楽の使い方もとてもセンスのあるものでしたし、脚本もよく練り込まれて巧く作られおり勢いもありますし、何と言っても登場するキャラクターが悉く魅力的なのもこの作品の凄いところだと思います。
特に椎名桔平さんの格好良い事ときたら(♡ˊ艸ˋ♡)あのニヤニヤした笑い方が堪らないですね。
加えてバイオレンス描写が秀逸!
静と動の使い分けもとても巧みですし、北野武監督のバランス感覚の素晴らしさがよく表れていると思います。
「全員悪人」。看板に偽りなし。
北野武監督作品として非常に有名な映画ですので、「全員悪人」というキャッチコピーとヤクザものの映画だという程度の事前知識はある状態での鑑賞です。
個人的にこのようなヤクザ映画はあまり観慣れてないんですよね。最近観た映画だと綾野剛主演の「ヤクザと家族」を観たり、ゲームですけど「龍が如く」をやったことがある程度ですのでヤクザものの作品について正直全然詳しくないです。
結論ですが、結構楽しめました。ヤクザの組の内部抗争や権力争い。そしてそれに巻き込まれる末端組織大友組の組長、ビートたけし演じる大友という男の生きざま。面白かった。グロが苦手なので、何度か出てくる暴力描写には目を覆いたくなる気持ちもありましたが、他の映画ではあまり観ないような残虐描写のオンパレードで、あそこまで行くと逆に清々しく面白く観ることができました。グロいんですけどね。
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関東最大の暴力団・山王会会長の関内(北村総一朗)は、傘下の池元組の組長である池元(國村隼)が麻薬の密売を行う村瀬組と関係を持っていることを疎ましく思っており、村瀬組を締めるよう池元に指示を出した。兄弟の杯を交わした相手である村瀬に手を出すことは難しいと判断した池元は、自身の配下である大友組の組長の大友(ビートたけし)に村瀬を締めるよう指示を出した。
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組織内で行われる権力争いと武力抗争。暴力が新たな暴力を生み、復讐の連鎖が次々と繋がっていく。山王会という大きな組織の上層部で行われる権力争いによって、末端組織である大友組の組員たちの血が流れる。恐ろしい図式です。
一口に「ヤクザもの」と言ってもそのジャンルは多岐に渡ります。
アクションシーンに重点を置いたものや組織内の人間関係に重点を置いたものが多いと思いますが、先にも挙げた「ヤクザと家族」のように社会派な作品もあります。洋画でも「スノー・ロワイヤル」みたいなマフィアの抗争を描いたコメディ色の強い作品もあります。日本のみならず「反社会組織の戦い」っていうのは人気のジャンルなんでしょうね。
本作は「組織内の人間関係」についての描写が多かったように感じます。組織の中での成り上がりを目指す男たちがお互いに潰し合うような作品です。上層部の権力争いに末端組織の組長である大友が巻き込まれていく様子は、まるで池井戸潤の小説で描かれるような肥大化した企業の利己的な上層部と現場で奔走する社員の構図に似ています。本作「アウトレイジ」は「バイオレンス半沢直樹」とも呼ぶべき作品なのです。
半沢直樹と違う点は、末端の誠実な人間による下克上が起こらない点ですね。勧善懲悪のしっかり描かれる池井戸作品のような爽快感は本作には皆無で、裏で汚いことをやっていた人間や簡単に人を裏切るような「長い物には巻かれろ」といった感じの人間ほど、最後には大きな利益を得ますしお咎めもありません。そういう理屈の通じない世界であるヤクザの世界を、とことんバイオレンスにとことんぶっ飛んだ描写で描いているように感じました。
個人的には、初めて鑑賞した北野武監督作品でしたが、他の芸人映画監督のような素人臭さは全くと言っていいほど感じません。多分言われなければ芸人さんが作った映画だとは誰も気づかないでしょうね。しっかり作りこまれた映画でした。
北野監督の代表作、バイオレンス描写が苦手でないならぜひ観ていただきたいですね。オススメです!
突き抜けたバイオレンス
人が死にまくります。
映画でなければとんでもないことですが、バイオレンスもここまで突き抜けるともうエンターテイメントになります。
結局誰がこのやくざの世界で生き残るのか、最後まで目が離せずに面白かったです。
音楽が久石譲でないのがイイ。
支持。
まず役者の割舌と録音がイイ。
あれだけ怒鳴って台詞が聞き取れるのだ。
三浦、椎名各々の自己ベストアクトかと。
特に三浦のうっすらお茶目の塩梅がイイ。
それと音楽が久石譲でないのがイイ。
痛快バイオレンスエンターテイメント
全員悪役、全員主役級。それぞれの俳優の個性を活かしきった、北野武でないと撮れなかった映画ではなかろうか。
争いというものは、とかく些細なことから始まるという典型。報復が報復を呼び、見栄や私利私欲が跋扈する欲望だけが渦巻く世界。ヤクザとは、人間とは愚かなんだと伝えている。これを観てヤクザに憧れる人が減ったらいいな、と思う。
映画として、エンターテイメントとして非常に良く出来た傑作。たけし映画にしてはセリフが多いかもしれないけど、表情や画で語らせるところもあり、たけし風味も満載。繰り返し見たくなる痛快なバイオレンスエンターテイメントムービー。
駆け引きと喧嘩の世界
まず、豪華なキャスト!!そして椎名桔平がかっこええ( ̄□ ̄;)
この映画は若頭役がキレキレです。
ヤクザの用語とか、組織の上下関係については少しかじっておかないとわかりにくいかも。
ヤクザの世界は仁義を重んじる世界ですが、組織運営上いろんな問題が起きるわけです。金とか上下関係とか。
そこを暴力で押し切るか、コネを使うか、上に頭下げるか逆らうか、信じるか裏切るか。
時には、そんなくだらないことで大声ださんでもと思うときもありますが笑、相手を威嚇したり、恐怖を植え付けるための策略でもあるので、やたら大声だしてます( ̄□ ̄;)
そして裏切りものに対しての制裁がエグい。。
さすが北野武はこういうとこ徹底してる。。
ただ、腹を括って命かける覚悟がかっこいいと映る気持ちは男ならわかります。
女性は9割楽しめない映画です。笑
北野武演じる大友が、今後どういう行動に出るか、次作を楽しみに観ます。
シンプル・イズ・ザ・ベストなんて言わせない
ビートたけしこと北野武が主演、監督、脚本、編集の全てを担っている映画ということで、ずーっとずっと見たかった作品。期待値はかなり高めです
最高過ぎ!!!期待を裏切らない面白さ!
久々のヤクザ映画ということもあってか、興奮が止まらずアウトレイジの世界に一瞬にして虜になってしまった。
関東最大の暴力団、山王会の大友組で組長を務める大友(ビートたけし)は池元組組長(國村隼)と兄弟である村瀬組を組長(石橋蓮司)ごと始末するように命じられる。
冒頭から感じられる役者の本気具合。
皆イキイキと演じていて、開始五分でこりゃいい映画だと確信した。そのくらい熱が凄い映画だ
体がこれを求めていた!
テンポがものすごく良いし、一度たりとも飽きさせずに突っ走る。ヤクザ映画にあるべき姿。ストーリーもしっかりしているので見応え抜群。
ヤクザ映画なのにも関わらず、笑えるところもあり。その笑いってのが自分のツボにハマってすんげぇ笑えた笑笑
YouTubeに上がっていたのでそのシーンがあることは知っていたのだが、椎名桔平が警察署の前でタバコを捨てるシーンはホント何度見ても笑える。マジで最高すぎるって笑笑笑
この仁義なき戦いを思い出させる味のある古臭さがたまらん。オープニングやエンディングの音楽,映像,フォントがヤクザ映画好きとしては帰ってきたかのような安心感がある。(ヤクザで安心感って...イカレてんな)
まあただ、雑さが見られる。
ヤクザ映画だからそれがまた味になっていいのだが、スピード感を追求し過ぎて緊迫感が足らず。戦闘シーンもなんか微妙だなと。呆気ない
コノヤローって言い過ぎだしね笑
R15にしてはあまりグロくない。
孤狼の血でR15のヤクザ映画を見てしまったせいか、どうしても物足りなさを感じてしまった
歯医者のシーンはかなりやばかったけどね笑
それでも、最高に胸アツな映画でした!
これが原点にして頂点。日本映画の最高峰。これだから映画はやめられないぜ!!
暴力エンタメ映画
ヤクザ映画は観慣れていないのであまり比較はできませんが、残虐な表現が多いとはいえ、非常にユーモアもある娯楽作品だと感じました。これどう続編やるんや。椎名桔平がツルッとした素敵ヤクザだった。加瀬亮は一生出会いたくない類いのインテリヤクザ。
初めてテーマ自体がヤクザとは何かに据えられました
その男凶暴につき
3-4x 10月
ソラチネ
HANA-BI
Brother
これらにつながる北野武流ヤクザ映画
確かにそうですが、本当に純粋なヤクザ映画は本作が初めてだと思います
それらの作品には、ヤクザ映画であることの前に語りたいことやテーマは別にあったと思います
ところが本作は、テーマ自体がヤクザとは何かに初めて据えられました
本作は特に21世紀のヤクザとは何か?を描く映画です
それをリアル描くことに向けられています
どこまで本作にあったことか、ありそうなことなのかはもちろんわかりはしません
しかしリアリティがあり過ぎで怖いです
でも歯医者での襲撃は、マフィアの理容店の襲撃のもじりなのでしょうが、日本でも散髪中に襲撃された事件があります
配役も、北村総一朗の関内会長、その若頭役の三浦友和は特に見事な配役です
余りのリアリティと迫力にのけぞってしまいました
説得力が有りすぎます
善人役が多い役者を使うことで、逆に説得力を持たせています
日本人の大きな組織の最上級幹部のあるあるパターンです
決してヤクザとか反社会的組織ではない、自分の知っている真っ当なある実業界の全国組織の会長とその幹部に、とてつもなく良く似ているのです
では、コッポラのゴッドファーザーに勝てたのか?
それは難しい
迫力は勿論圧勝しています
しかし、人間の人生と苦悩を描く圧倒的な厚みはないのです
そこがとても残念なところです
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