劇場公開日 2010年5月8日

「ついに奈緖子に上田が告白か!?シリーズのターニングポイントとなる作品。」劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ついに奈緖子に上田が告白か!?シリーズのターニングポイントとなる作品。

2010年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 小地蔵の世界をあざ笑うTRICKシリーズは、本来いわば商売敵みたいなストーリーではあります。毎度毎度、インチキ霊能師に、怪しげな教祖ばかり登場して、人間の霊性なんか嘘つきと一喝されそうです(^^ゞ
 まぁ、小難しいことはさておき、この濃いキャラの世界に一度浸ってしまうと、中毒になってしまうのです。
 特に好きなのは、山田奈緒子のキャラですね。あんないじられ役で、毎度「貧乳」って謂われ続けられると、当の本人も当たっているだけに嫌になるはずです。
 それを喜々として演じ続けている仲間由紀恵は、Mなのでしょうか?ドジなのに、負けず嫌いで、突っ込まれたときに、気恥ずかしそうにでえへへへぇ~と笑うところがいいのですね。

 さてずっとテレビシリーズを見てきた上で本作を見ると、だんだんシリアス寄りになってきていて、あまり弾けた演出が影を潜めてきていると感じました。その分上田と奈緖子の息のあったコンビネーションや取り巻きの演技を魅せてくれました。
 やはり藤木直人役の松平健の存在感は抜群です。これまで霊能者というと変人タイプが多かったのに、藤木は堂々としていて、本格志向です。
 とにかく霊能者=ニセモノと決めつけてきた本作シリーズにあって、初めて本物のとその能力を認定した能力者が登場したことは、画期的ですね。

 それと注目すべきは、奈緖子と上田のふたりの関係。ラストで絶体絶命のピンチになったとき、上田が、「きっ、きみのこと、す・・・・」と言いかけるシーンがあるのです。当然エンディングで、奈緖子は上田に問い詰めますが、「君とすきやきを食べたい」と言いたかったんだと言い逃れるのです。
 いろんな意味で長寿シリーズが10周年を迎えての、ターニングポイントとなったのではないでしょうか。

 さて、物語はいきなり江戸時代から始まります。なんてことない奈緖子の夢のなかの出来事だったのですが、寅さんの冒頭シーン違って、こちらはちゃんと後半に繋がる重要な伏線だったのです。それにしてもTRICKの江戸時代の巻も、これはこれで面白そうなので、ぜひスピンオフして欲しいです。

 そこからストーリーは、万練村での霊能者バトルロイヤルに進展していきます。これまでは教祖的存在は、一人だったのですが、今回は奈緖子以外に5名の能力者が登場。個性豊かに妙技を披露します。ただ余りにあっけらかんと、霊能者が殺されすぎるのではないかというところが不満でした。バトルロイヤルなのですから、誰が勝つのか予測不可能な展開になった方が、もっと盛り上がったのではないでしょうか。
 そしてバトルロイヤルの中には、詐欺師が紛れ込んでいるという情報が駐在からもたらされます。例によって次々起きる殺人事件。その犯人捜しと偽霊能者は誰かという謎解きの部分では、だいたい予想がつくものの、なかなか手が込んでいたと思います。
 但し、バトルロイヤル中、棺桶閉じ込められて崖から落とされたのに脱出に成功した美代子については、なぜすぐ落とした棺桶を確認せず放置したままだったのか、疑問でしたね。
 あと藤木が背負ってきた過去には、ついついホロリとなりそうで、憎めないキャラが意外でした。

 本作では、小ネタも倍増で笑わせてくれます。堤監督のクレジットは、なんと卵の中から飛び出します。その直後の奈緖子がチキンラーメンに卵をかけて、食べるところに繋がっているなぁと笑えました。作っている監督も楽しんでいるみたいです。
 それとOK牧場と騒ぐ大きなハエがランダムに意味なく登場します。顔つきが、誰かさんそっくりなんですよ。ホントに、エンディングの後まで、飛んできますのでお見逃しなく。なんでOK牧場なのでしょうね?

 最後に、毎回冒頭で登場人物の簡単な紹介がついているので、初めて見る人でも違和感なく楽しめますよ。

流山の小地蔵