劇場公開日 2010年2月27日

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「ラブロマンスを見たいならば他を当たるべき。だが秀作には違いない」すべて彼女のために mrさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラブロマンスを見たいならば他を当たるべき。だが秀作には違いない

2013年9月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

知的

難しい

「すべて彼女のために」。題だけを見れば、あたかもラブロマンスのようである。がしかし、冒頭で車のハンドルを握る彼の手は血で染まっている。

ダイアン・クルーガーがすごく美人。だが彼女の美貌に気を取られるのは最初の5分くらいのもの。それ以降、彼女が演じるのは麗しき美女ではなく、愛する1人息子に嫌われてゆく母。

ヴァンサン・ランドンの鬼気迫る演技も素晴らしかった。彼演じるジュリアンの前半でのいかなる犠牲も厭わない献身が、観客を後半のスリリングな展開に引き込ませる。その献身こそまさに「すべて彼女のために」。

そして判決が下るまでの3年間を丸々カットするなど、監督の取捨選択も秀逸だった。それはラストとて例外ではない。

mr