劇場公開日 2009年11月6日

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「“映画史上最恐の婆さん”登場!」スペル(2009) mori2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0“映画史上最恐の婆さん”登場!

2009年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

怖い

サム・ライミといえば、今や「スパイダーマン」シリーズの監督として、すっかり有名になっちゃいましたが、本来の姿は“青春ヒーロー映画の巨匠”ではなく、“スプラッター・ホラーの帝王”なのです!そんな彼の本職復帰(?)作。サム・ライミ自身が、ず~っとやりたかった企画(何と、構想10年以上!)だったそうです。いやあ、オモロ恐かったですわ~(^^;。

 本作での「スペル」とは『呪文、呪縛にかけられている状態』を意味しておりまして、正に呪いをかけられた女性が如何に悲惨な目に遭い、そしてそれにどう立ち向かっていくのか?ってところが、描かれております。しかし、この映画に出てくる程度のことで逆恨みされて、あろうことか呪いまでかけられてしまうとは、本当にクリスティンは可愛そうです。そんなに悪いことしてへんやんね?ところがこれが、今回のサム・ライミ監督の狙いだそうでして、『ヒロインは本当にいい子だ。善良な娘で、ロサンゼルスで成功したいと思っている。ところがそのために、1つだけ罪深い選択をしてしまう。それがきっかけとなり、彼女への報復が始まるんだ』と、語っておられます。曰く“シンプルな道徳的寓話”なんだそうです…。それにしては、えげつないって(^^;!“道徳的寓話”ってレベルで終わる話とちがうと思うんですけど。まあ、主役のクリスティンを演じるアリソン・ローマンも、絶妙なキャスティングでございまして、その清純そうな見た目が徐々に毒されて行く様に、吾輩とても哀れみの感情移入をしてしまいました。そう、かわいそお~だ~!って。う~ん、吾輩サム・ライミの思うツボにハマってますね~(^^;。

 冒頭でサム・ライミのことを、“スプラッター・ホラーの帝王”などと偉そうに書きましたが、実は吾輩、彼の出世作である「死霊のはらわた」シリーズを、まともに見たことがございません。『血しぶきドッバドッバの恐い映画を、わざわざ金払ってまで見にイカン!』という思いがあったからでして、ええ吾輩“恐がり”ですから(>_<)。で、今回も『恐いのヤダな~(>_<)』と思いつつ、試写室に向かったのですが、コレが面白い(^^;!もうね、途中で思わず声を上げて笑いそうになっちゃったシーンが幾つもございました。本当は恐~いシーンの筈なんですが、これが恐怖を突き詰め描いて行くと、笑えるシーンになっちゃうんですね。特に『口の中に手ぇツッこんで、奥歯ガタガタ言わしたろうか~!』を、実写でやっちゃってるシーンには爆笑してしまいました。まあ何とも悪趣味な演出!サム・ライミの高笑いが、聞こえてきそうですわ。

 今回、恐怖の対象となる“映画史上最恐の老婆”(←ね?こんな風に書くと笑えてくるでしょ?恐いはずなのに…(^^;)は、本当に恐いです。あんなのが夢に出てきた日にゃあ、吾輩1人でトイレに行けません!クリスティンの車の後部座席にいきなり座っているシーンなんか、相当に恐いです。でも、笑えます!う~ん、困ったキャラだ、この婆さん。

mori2