劇場公開日 2010年2月20日

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「様々な意味のパレード」パレード(2010) オレさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5様々な意味のパレード

2016年3月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

難しい

5人の男女がマンションの一室で営む共同生活を5人それぞれの視点から描いた作品。
全体的に薄暗い映像の中、良介、琴美、未来、サトル、直輝の順にそれぞれが抱える悩みが明かされていく。

まずキャストが◎。
琴美役の貫地谷しほりのあざとい可愛さが爆発笑。ちょっと待ってちょっと待ってのシーンメチャ可愛かった笑。
個人的には直輝役で藤原竜也がもうドツボ!出来る男感出ててよかった!伝統芸のあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛を抑えた演技かと思いきや、やはりラストにあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛する素晴らしい俳優笑。ゲス役多いのでアレだけどこの人は普通に好きだな。
唯一良介だけ微妙に違ったイメージ。原作はもっと幼かった気がする決して小出恵介は悪くないけど意外とサトル役の林遣都の方が良介似合うような気もした。

この映画の怖いところは中盤でサトルが平気で他人の家に上がってくつろいでいたシーンに隠されている気がする。
つまりサトルには他人の秘密は探る好奇心がある。ということはあのマンションの中も漁っているのかもしれない。さらにいうとその好奇心はサトル以外の住人にもあるかもしれない。
だから最後に直輝を匿ったサトルがボソッとみんな知ってるんじゃないの?と言ったときに直輝はあんな驚いた顔をしていたのだ。もしかしたらモンキーレンチを誰かに見られていたかも。未来が直輝に通り魔の張り紙を見せた時点で直輝が犯人だと彼女は気づいていたかもしれない。
若干妄想入り気味だけどこういう推察をするとこの作品はすごく面白くそして怖く感じられる。

それでいて何故か5人にとってはこの空間が心地よい。だから壊したくない。壊されたくない。それがラストシーンの4人の表情に繋がる。
もうここ超怖かったこんな表情できるんだって役者ってすごいと思った笑。

邦画らしさのよく出た陰鬱な雰囲気の作品。だがこの5人はどこか魅力的で確かに居心地が良さそうで混ざりたいとも思ってしまう不思議な作品。サトルがここ何人住んでんの?っていうシーンが好き。

オレ