U23D : 新作映画評論

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U23D

劇場公開日 2009年3月7日
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U23D 3月7日より新宿バルト9ほかにてロードショー

この映画の音と映像のギャップについてボノはどう思うだろうか

映画ファンから見れば3Dでの上映なんて邪道でもあるわけだが、ここまで3D技術が進歩して来ると、いよいよそうも言ってられないんじゃないかと思う。何せ、この映画では、本当に目の前でボノが歌う。まるで「私」のためだけにその歌が歌われているような、そんな気分になる。だからそれは映画じゃないと言ってしまえばそうなのだけど、コンサートに行ったのとはまったく違うこの感覚。あんな近距離で面と向かって「他者との共存」を説かれたら、そりゃあ誰だって説得されようというもの。

しかしだからこそ、そこには危険もはらんでいる。とくにU2のように、歌と彼らの政治的なメッセージとその活動が一体になって見えてくるようなバンドの場合、彼らの言葉と音と活動を冷静に見る視線が必要となるはずだ。それこそ「映画」の役割でもあるわけだから、この3D技術の進歩を映画関係者はより真剣に考える必要があるだろう。

ちなみにこの映画の音は、おそらく「コンサート会場にいるような感じ」を目安に作られたものだろう。だから共にU2のライブを見ていると想定される観客たちの声もかなりのボリュームで聴こえて来るのだが、一方で映像の方はまるで「私」の部屋にU2が出張演奏してくれているような状態なのだ。このギャップ。「他者との共存」を説くボノは、一体これをどう思うだろう。

樋口泰人

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ABOUT THE MOVIE

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  • U23D
  • アイルランド出身の世界的ロックバンドU2が05年から06年にかけて行ったワールドツアー“VERTIGO”の南米公演をデジタル3D映像で再現したライブドキュメンタリー。「U2/魂の叫び」(88)とは異なり、インタビューや舞台裏映像は一切無く、臨場感たっぷりのライブ映像のみで構成されている。監督は、長年U2のライブのビジュアルデザインを手掛けてきたキャサリン・オーウェンズと、「隣人は静かに笑う」「プロフェシー」のマーク・ペリントン。
  • 原題:
    U2 3D
    監督:
    キャサリン・オーウェンズ、マーク・ペリントン
    撮影:
    ピーター・アンダーソン、トム・クルーガー
    出演:
    ボノ、ジ・エッジ、アダム・クレイトン、ラリー・マレン・Jr.
    製作国:
    2007年アメリカ映画
    上映時間:
    1時間25分
    配給:
    ナショナル・ジオグラフィック・エンターテイメント、さらい
  • 3月7日より新宿バルト9ほかにてロードショー
  • オフィシャルサイト

(C)National Geographic

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