「非常に中途半端」オーストラリア sumomo3gouさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に中途半端
「全体的に非常に中途半端」
何がテーマだったのか不明…家族愛?人種差別?オーストラリアの歴史?自然の美しさ???
監督いわく「変容」がテーマだというが、その壮大な言葉をあらわすほど、主役二人の心のひだまで描ききっていないと思う。
また、先住民族アボリジニに対して行われた白人同化政策の説明も、これまた非常に中途半端で(明確に言葉にされているのは映画冒頭とエンドロールでのテキストによる説明のみ)歴史を知らない観客には単に人種差別や戦時疎開されたくらいにしか受け取られないだろう。
本作のメインテーマがそうでないならば、中途半端な触れ方をするのはやめたほうがいいような気もしました。あくまで個人的意見ですが。
「地名と位置関係を知らないとわけわからん・・・と思う」
話のポイントになるダーウインがどこで、彼らの住んでいるところがどこなのか、距離感や位置関係の説明がビジュアルでないので、大変さがわかりにくい。
いくら『水曜どうでしょう オーストラリア大陸縦断』のDVDを観ても、椎名誠さんの『熱風大陸―ダーウィンの海をめざして 』を読んでも、文明の利器である車や、その他もろもろの便利な物の恩恵を受けた移動では決して想像できない、危険や死と隣り合わせの「命がけの旅」の時代。
そこのあたりの怖さをもっときちんと表現(説明)してほしかった)
「中途半端なメルヘンテイスト」
語りをナラというアボリジニと白人の混血少年の片言の英語にゆだねること、そしてところどころで現れるアボリジニの呪術師や、その文化(歌)
・・・なーんか、すんなり入りませんでした(私の心がすさんじゃってるんでしょーか?)
「とにかく話が長い!」
大きくわけて2つのパートに分かれ上映時間、2時間45分!
ちょっとなかだるみかも。
でも、第一部の最後にありきたりな普通のハッピーエンドで終わらなかったのは評価できる。
【個人的なつっこみ】
ニコール。最後の最後までPaleな肌でした。
AUSの日差しで日焼けしないですむわけないでしょー!
そしてニコールがだんだんレネー・ゼルウィガーにみえてきた。白くてむっちりしている肌とか。顔立ちは違うけどね。
あの内地を長期間旅するのに、馬にのって一日中とか、幌なし車では無理でしょ!
みんな顔一面の髭面すぎて俳優さんの見分けがつかない。
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【ネタバレ系】
私はもともと「ヒゲ★ラヴ」な人ですがwww
この映画でヒュー・ジャックマンがヒゲをさっぱりと剃って現れるシーンでは・・・ちょっと惚れましたね♪
ニコール見てると痩せなきゃ~!!!ってやる気になる程細いが、妙に下腹部だけポッコリなのはなぜ?
・・・と思ったら、撮影中に彼女は妊娠が発覚したらしいです。ひどいつわりに苦しみながらも過酷なロケを一日14~15時間耐えたそうですね。えらい!
映画『ムーラン・ルージュ』の4倍にあたる2000着の衣装がみどころというけれど、どこでつかわれたの?あのチャリティパーティーのシーン?
キング・ジョージは、インドのサドゥーにしかみえない。
そして彼だけど、日本軍に爆撃された時、いつのまに牢屋から出たの?
映画が始まる前に海外の雑誌やメディアからの評価が紹介されていたけど「この映画でのニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマンは『風と共に去りぬ』のヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルに値する」って。
値してないっつーの!(怒) by『風と共に去りぬ』の熱烈ファンより
じゃあよかったところと言えば・・・?
AUSの自然は雄大だなぁ・・・。
ニコールが髪に白い花をつけたままベッドに横たわるラブシーンが美しい…
くらいでしょうか?
素直に見れる人にとっては、珍しくオーストラリアの歴史物(?)ですし、ニコールとヒュー、オーストラリアの美しい自然を見ることができる貴重な映画なので、楽しめると思いますが(実際のところ他にも観た人に話しを聞くとひどく感動したようです)つっこみどころ満載な気持ちに一度気づいてしまうと、エンドレスにつっこみたくなる映画です。