劇場公開日 2008年4月26日

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「真面目なエンターテインメント作品」紀元前1万年 Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0真面目なエンターテインメント作品

2022年7月26日
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壮大な歴史アドベンチャーとしての見応えは十分にある。荘厳な音楽と迫力の映像で誰でも楽しめる作品だと思う。「紀元前1万年」というタイトルを考えると、当然今のような科学的技術も無い時代で、呪術やしきたりといった原始的な描写が多く、小難しく思えてしまうが、"歴史エンターテインメント"と名を打った事だけあり、徹底的にエンターテインメントに走っているのもミソ。特に難しい事はなく、タイガーやマンモス、ダチョウ(デカい)等の盛り上げ役の活躍も相まってしっかりとポップコーンムービーの役割を果たしてくれている。
だが、歴史に基づく作品としてはだいぶファンタジーよりで、ドラマ部分が大味過ぎるというか薄めに感じるのが欠点だろうか。映像的に盛り上げる役は盛大なCGで暴れてくれれば良いのだが、肝となるストーリーは人間同士の熱いドラマで感情に訴えかけてくれるのではないか。主人公を突き動かす動機としては愛する人を取り返すというものであり、幼い頃に失踪した父の行方も探す目的も含まれている。その道中で桃太郎ばりに同じ境遇の部族と協力関係を結ぶものの、最後に行き着いた決戦の地で明かされた失踪した父の存在が雑過ぎな気がする。どうせなら「神」と崇められる謎の存在が父だった位の衝撃展開を見せて欲しかった所だ。それだと尺が長くなる気もするが、元々ローランド・エメリッヒ監督作は120分超えが当たり前である。「デイ・アフター・トゥモロー」はちょうど良い124分だったが、「2012」は158分。元々尺をかける気のある監督だから返って長い本編の方がらしさが出て良くなった気がしなくもない。
イマイチ釈然としないのは「神」の存在だ。顔が映ることなく主人公の手によって堕ちたそれは、謎のままだった。これまた最後の最後で趣を変えたトンデモ設定を放り込む監督らしくないものだ。未来で暴走した殺人マシンだとかエイリアン(個人的にはエイリアンだと思っている)だとか、それを含めて上記の実の父が黒幕でした!なんて言う詰め込みすぎた馬鹿さ加減が好きなのに、変に真面目な所がどうも面白くない。シリーズ化する気でいたのだろうか。

Mina