劇場公開日 2008年1月12日

「人間…お邪魔しちゃってます」アース オイラさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5人間…お邪魔しちゃってます

2018年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

知的

地球上の野生を追ったドキュメンタリー映画『earth』。

大自然のホンモノの光や色彩、まるで意志を持ったように蠢く水や空気の様子は、『もしコレがCGだったら却ってやり過ぎになっちゃう!』と感じてしまう程の鮮やかさと併せて脅威を含んでいて、一瞬、呼吸を忘れた。

常に、生き抜くための時間の中にいる野生動物たちが創る壮大な光景には『人間、地球にお邪魔しちゃってます…』な、気持ちになった。

弱肉強食の場面ももちろん描かれていた。
生命・種族保存の為に進化してきた、その無駄のないしなやかで逞しい造作と身のこなしは、命懸けだからこその美しさがあって、目を見張る。
残酷かも、不謹慎かもしれないけど、そう感じた。

鯨の目の動きや肌の質感まで解る… そんな、本来なら人間が見るはずの無い映像に、感動する以上に脳の回路がプチパニック&思考停止。

あと、コレはきっと泣くポイントじゃないんだろうなぁ~?と思いながら…
渡り鳥たちが気流と闘いながらカラダひとつでヒマラヤ山脈を越えた瞬間や、太陽のエネルギーが氷を溶かして、その水が流れだし生命の恵みが溢れ満ちていくさまに、何故か涙がポロポロ止まらなかった。

この『幸運の惑星』は生命の塊なんだ…って、知っていても忘れてた。

この作品のメッセージにはひとつ、地球温暖化の現実を見つめて環境保護の意識を高める…というのがあるだろう。ナレーションもそれで締め括っていたし。
ただオイラには、その言葉も場面ごとの音楽も、まるで蛇足・押し付けがましいモノに感じられた。

日常生活では触れることのほとんど無い『野性』や『生命力』。
それに触れて『私達みんな、生き物として呼び覚まされるべきモノが自分の中にも眠っているコトに気付くことが出来るはず』っていうのが、込められた最大のメッセージのような気がしたんだ。

出来るはずだもん!

オイラ