第9地区のレビュー・感想・評価
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エイリアンの名を借りた風刺!
「インビクタス」をはじめ最近南アを舞台とした映画が多いと思ういの私だけであろうか?これも「ワールドカップ」効果??
この「第9地区」も南アが舞台。しかし「インビクタス」と異なりこの映画の主人公は勇気もなく、一見パッとしない普通の小役人。差別される側も人間ではなく「エビ」型のエイリアン!(ど~しょもないエイリアン)
この辺の視点が面白い!
差別する側の立場の者がが次第に差別される側の立場になってしまう構造をエイリアンを通じて(フェイクドキュメンタリー風に)描く視点が新鮮であると同時に南アの人種差別にたいする痛烈な風刺!
「ブレードランナー」以来の驚き!
まず発想が斬新である!
南アのヨハネスブルクにエイリアンが難民として定住して20年以上経った時点から物語が始まるわけだが、その場所も、“エイリアンが難民”というシチュエーションも着眼点がユニークで、一気にストーリーに引き込まれる。
ハード面(VFX等)もしっかりしていて、物語にリアリティを与えている。
そして演出も(主人公ヴィカス役のシャルト・コプリーはほとんどアドリブで演じたらしいが)、どこにでもいる平凡な男ヴィカスがエイリアン移住対策のリーダーに抜擢され、舞い上がっている様子など、非常に上手く表現していると思う。
また、何百万と難民エイリアンがいるのに、ヴィカスたちMNU職員が承諾書を持って歩いて戸別訪問をするなど、思わずズッコケそうになる笑えるシーンも魅力の一つだ。
作品全体として、これほどのめり込めたSFは「ブレードランナー」以来かなぁという感じである。111分という上映時間があっという間に過ぎるような快作だった。
もうひとひねり欲しかった
拙ブログより抜粋で。
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この映画が良質なSFであることは、つまらないうんちくを一切排除し、わからないことはわからないと割り切って観客の想像にゆだねていることからも伺える。
それでいて、「宇宙人の難民化」という一発ネタといっていいこのアイデアを、差別問題を扱った社会派映画にまで昇華させた煮つめも怠らない。
ヴィカスはヒーローではない。ありきたりの小市民だ。
人間の醜さも内包した平凡さが、より差別問題の根深さを浮かび上がらせる。
とは言うものの、そんな小難しい映画ではなく、あくまでエンターテイメントに徹したバランス感覚も素晴らしい。
社会的な裏付けがあっての、SF的お遊び映画。お遊びっていうのは、むろんいい意味で。
そんなわけで、エイリアン相手に差別する側のヴィカスが被差別側に転じる中盤まではワクワクさせられた。
もちろん、映画の中での差別的な行いは観ていて楽しいもんではないのだが、次はどんなアイデアを見せてくれるんだろうという映画的、SF的期待感に胸が高鳴るのだ。
しかし、その期待は終盤に向けて落胆に変わる。
普通のSFアクションとしてはなかなか見応えのあるクライマックスなんだが、前半の才知に満ちたセンス・オブ・ワンダーに比べると、少々平凡な落としどころという感が否めない。
ただ、唯一その終盤で巧いと感じたのは、最終的な結末を、やはり観客の想像にゆだねて終わったこと。
映像はドキュメントタッチだが、その実コメディ映画のようである。
南アフリカを舞台にして過激であからさまな人種差別ならぬエイリアン差別が展開する。エビと呼ばれ甲殻類のようなのになぜか二足歩行で言葉も喋る、姿も人間そっくりなエイリアンたちは、超巨大な宇宙船と強力な武器を持っているのにゴミ箱をあさり人間たちに物乞いまでしている。(一個師団並みの戦闘力を持つロボット兵器までもネコ缶と物々交換してしまったり)日頃露骨で残酷な扱いをしている人間たちも、彼らの居住区を移転させるためにはわざわざ一軒一軒訪問して立ち退き同意のサインを求めてる。
なんか奇妙で不条理な世界は、映像はドキュメントタッチだが、その実コメディ映画のようである。主人公のヴィカスも、昔のチャップリンのようにお人好しだけど何をしてもトラブル続きで笑わせてくれる。しかし、後半はアクションシーンの連続で残酷な場面も出てくるなど、なんでもありの映画。
最後シーンは、続編もあるってメーセージなのか?3年後、エイリアンが帰ってきて人類との間で戦いがはじまり、今度は主人公のヴィカスが人類の側に立って…。ただエイリアンたちがあまりに人間と似てるのが気になる。ヴィカスの変身みても、彼らには人間のDNAが入っているのでは?とするとあのエイリアンは人間とコンタクトするためにつくられたもので、来訪の目的は人類の文明度を調査することか。本当のエイリアンは、姿はもっとエビや昆虫に似ているけど、遥かに知的な存在ではないか。
生活感
映画としての評価より、まず・・・あの違和感の無さに感激すらしました。
逆に、それが全て。
続編を創らなければ、それまでの映画。
ハードルはかなり高いですが(笑)
あ、あとグロいです。
エンディングの感動を求めなければ、お勧めです。
おんもろかった。
この映画、予告編を観ても
さっぱり内容がわかりませんでしたが。
「なんか、すげえ面白い」
と言う評判が先走っていたので
ちょっと確認をしてきました。
なんか、すげえ面白かったでした。
B級のニオイがプンプンしてたので、
まぁ、肩肘張らずに観よう。
みたいな感じでしたが、
良い方向に期待を裏切られました。
掻い摘むと、平凡な
御役人である主人公が
ひょんな事から
人の心を持ったまま、
悪魔の左手とパワーを
身に付けて
やむを得ない事情から
人類と戦う事になってしまう。
みたいな感じなのですが、
嫌な奴ではあるけれど、
普通に仕事を一生懸命やって、
嫁と平穏に生活したいだけの人が
ガンガン不幸になって行くので
可愛そうでした。
変容する自分の体に
怯える主人公の描写や、
差し迫る危機に遭遇し、
攻撃方法を身につけた瞬間の
スカッとする感じが最高でした。
見ようによっては、
差別問題に対する皮肉と受け取れますが、
正義の為に戦っているわけではない
ダークヒーローの話として楽しめました。
主人公、異星人、人類。
誰も、正義はおらず、ギリギリの
シチュエーションで漸く垣間見える
ヒューマニズムが現実的です。
個人的には、容赦の無い戦闘シーンは、
バーホーベン監督の
「スターシップトゥルーパーズ」を髣髴とさせ、
自らの肉体の変容に恐れる主人公は、
塚本晋也監督の「鉄男」を想起しました。
他にも、
「インディペンデンス・デイ」の様な宇宙船や、
TV版「エンタープライズ」の虫型ズィンディ
みたいな宇宙人が出てきたり、
終盤の重要なシーンで
「あ、こりゃトラクタービームだ。
ポピュラーな手段!!」
と言った具合に、結構色んな作品の
おいしい所取りな印象があり、
斬新な要素は少なく、
様々な映画や作品と比較される
運命にある映画かもしれません。
加えて、
誰もが納得の行くラストでは無い
でしょうけれども。
昨今のSFの中では抜きん出た
世界が構築されていると思います。
これで完結でもありですが。
後日談が気に成ります。
「3年後」を期待してます。
まさかの結末
まさかの結末にいささかびっくりして、そして切なくなったのは私だけかしら?
ある人があまり面白くないよと言っていました。それを聞いて、期待しないで見たせいか、超面白く、そして切なかったです。
宇宙人が蝦に似ている?とは私はあまり思わなかったですが。
とにかく面白いですよ。げらげら笑う面白さでなく、シュールな面白さです!
面白いけど惜しい。
宇宙人VS人間の単純な対立構図に留まらない
社会派の臨場感と,
予測不可能な展開の連続で描く異色SF。
疾走感ある映画のリズムが良い!
終盤のアクションバトル最高!!
めっちゃ面白い!
ところが,主人公の男が,
自分本位で最後まで好きになれず・・・。
異星人の言葉をなぜ理解できるのか,
など詰めが甘い点もあったし,
なによりラストが中途半端。
ここが消化不良で,
全体の印象を下げてしまっている・・・。
勿体ない。
帰れる場所のありがたみをSF娯楽作品として描ききる
製作のピーター・ジャクソンは、もともとクリーチャーやウエポンにおいて決して独創的な人物とはいえない。「ロード・オブ・ザ・リング」で目を見張ったのも、第一部の冒頭、花火のシーンぐらいだ。今作も、宇宙船を含め、デザイン的な目新しさはない。ドキュメンタリータッチな映像もありきたりだ。
それでも、ルーカスやスピルバーグといった先人たちの創造物を踏襲しただけではない魅力が勝るのは、新鋭ニール・ブロムカンプ監督の脚本と演出による。
まず、宇宙人と地球人の力関係が拮抗しているところに、今までにない面白さがある。人類が絶体絶命ではないのだ。
自分たちの星に帰る術を失った宇宙人たちを難民として扱う発想も独創的で、先の読めないオリジナル・ストーリーが観る者を引き込む力を持つ。
単に設定によって好奇心を煽るだけでなく、頼りなさそうだった男が生きる強さを身につけていく過程も丁寧に描かれている。傷つきながらも最後まで戦う姿は武士のようで熱いものを感じる。
しかもロマンチック。キーパーソンは父と息子。物語の根底にあるのは家族愛。そして帰る場所。ラストは男の深い情愛にグッとくる。
ニール・ブロムカンプにあってピーター・ジャクソンにないものは明るさだ。
イライラするいい映画
全ての登場人物にイライラしてムカつく
人間の愚かさにあきれる
最後までイライラしっぱなしでした(笑)
それだけにいい映画だと思う。
高評価!
笑える演出もなかなかユーモアがあっていい。
エイリアンになって人間を観察した気分。
人間の薄っぺらい倫理観の仮面を剥がすイヤな映画
舞台は南アフリカ・ヨハネスブルグ
巨大な宇宙船が何故か停止
やむなく難民として保護され
紆余曲折の共存により20年間で180万に膨れ上がったエイリアン
人類は手狭になった難民キャンプの移設に着手する
ポスターからしてインパクト大
スラム街の上に浮かんだ巨大UFOと
“エイリアンお断り”な標識
ドキュメンタリータッチで描かれ
もうこの荒唐無稽極まりなく妙な設定
オマケにSF嫌いなハズのアカデミー賞にノミネート
このインパクトが好奇心をゴリゴリ刺激
オレのハートはガッチリ鷲づかみされてしまった
その感想を端的に言えば、期待裏切らずなかなかの傑作
例えるならば、SF版カフカの「変身」とも言うべきか
手の込んだ現代社会に対するとーってもイヤミな映画だった
まず驚かされたのはその斬新さ
マイノリティへの差別や筋肉バカな軍人は「アバター」
モビルスーツなマシンは「トランスフォーマー」
デッカいUFOは「インディペンデンス・ディ」
肉体の変身は「ザ・フライ」
既知の映画に似た部分もあるが、違うのはエイリアンの設定だ
だいたい人類以上に文明と力を持っており
侵略するか力を見せつけるかのどちらかで
主にその舞台はニューヨークなどのアメリカ主要都市だ
しかし本作ではそんなステレオタイプなイメージとは大きく違う
「エビ」と渾名され、難民として人間様に虐げられ
好物はネコ缶とゴムという貧相具合
風貌も手足が細くゴキブリのようでかなりキモい
ゴミ山を漁る姿はとにかく不衛生で野蛮で弱々しい
それに対する人間も当然のごとく偉そうに振る舞う
おおよそ畏敬の念を抱いて恐れることなど微塵も無く
とにかく徹底的に上から目線
典型的なのが主人公ヴィカスという男
勤務する会社の要職者の娘と結婚し
本件責任者に任命されてちょっと調子に乗っている
でも、おおよそありがちで平凡な人間である
この関係は、今まで人類が行なってきた人種差別のメタファーだ
差別はいけないなんて小学生でも知っていることであり
理屈では誰もがわかっているはずだ
だから、現実にある差別をテーマに描くと
誰もが声高に差別はいけない!と言うに違いない
ところがこの映画、そんないい子ちゃんな観客の仮面を剥がしにかかる
「差別はいけないって言うけどさ
こんなエイリアンでも同じことが言えるのかい?」
まず、ドキュメント風にして作られる妙なリアリティ
舞台を南アメリカにしてアパルトヘイトを髣髴とさせ
エイリアンを野蛮で風貌をグロくして、わざわざこちらの不快を煽り
変身していくヴィカスの家族の視点も加えて嫌悪感を刺激する
その結果、エイリアンが駆逐されることよりも
人間が傷つくことに対しより抵抗を感じさせる
あえて人間をグロく傷つける描写があるが
これはエビに対して人間がしたことの裏返しを強調していると思う
今まで差別される側だった有色人種のめんどくさそうな言葉がキツイ
「あんなエイリアン隔離しちまえよ!」
おいおい、お前がそんなこと言うのかよ!
それらは観客の内に秘められた差別を掘り起こし
軽々しく差別反対なんてキレイゴトを言うな!と煽る
なかなかイヤらしいですな、この手法
そのための材料となった不幸なヴィカス
虐げていたエビの身になって、心から彼らの苦悩を理解する
その心境はあのカフカの「変身」、グレーゴル・ザムザに近いものだろう
虫に変身したザムザは、妹のグレーテにだけは同情されているが
ついに訪れた彼の死は、その妹にさえ安堵をもたらすという悲しいものだ
さて、本作のヴィカスの運命は果たしてどうなるだろうか?
今まで、海外の情報を見て知った気になっていた人種差別を突きつけられ
オレの薄っぺらな倫理観というか道徳で守っていた仮面は剥がれかけている
正直、理屈で判っていてもヴィカスのように彼らを差別をしないという自信がない
そんな虐げられていたにもかかわらず
仲間を想い、敵だったヴィカスに手を差し伸べられるエビ 「クリストファー」
そんなグロい風貌の彼、人間に例えるとネルソン・マンデラになるだろう
見ごたえのある映画だった
真面目で重くなりがちなテーマを、軽くみせた手腕に拍手喝采!
『アバター』と
どことなく似てるんだよね
アカデミー賞ノミネートよりも、
そちらの情報が気になり行ってきました。
映画館は、若い人からシニア層まで
幅広い年代で8割くらい席は埋まっていました。
公開初日の4回目でしたから上々の立ち上がりではないでしょうか(笑顔)
☆彡 ☆彡
なるほどね
たしかに『アバター』に
似ているかな。3Dじゃないけどね♪
製作費
『アバター』2億3700万ドル
『第9地区』3000万ドル
これだけの開きがあるのに、
対比作に『アバター』の名が挙がる。
それだけポテンシャルを秘めた作品と認められた証。
好き嫌いが、ハッキリとわかれそうな気もしましたが、
『アバター』の映像だけでなく、ストーリーも好きだった
私にとっては、今作も大いにアリ!でした(笑顔)
なんで舞台が南アフリカなんだろ?
アパルトヘイトへの警鐘へのメッセージも込めたのかな?
そんな疑問を元に
上映後、調べてみると、
ニール・ブロムカンプ監督。
南アフリカ出身のかたでした。
さらに、今作、
2005年に短編として作り上げた作品を
ベースに長編化したことも判明。一気に謎は解けました(笑顔)
3000万ドルで
これだけのCG、映像ができてしまう。
技術の進歩に驚きです。お世辞でもなんでもなく
かなり迫力がありました。特にストーリーの展開が
目まぐるしくなっていく中盤以降なんて、スクリーンに眼が釘づけ。
どうなっちゃうんだろう
まるで童心に帰ったかのように
ドキドキハラハラしっぱなし。
エンドロールが流れ始めたとき
え~~、もう終りなの
つづきをみせてよ~~
エンドロールが流れ始めるや否や
まるでおもちゃを泣きねだる子供のように地団太を踏んでしまいました。
監督、お願いです!
この先、どうなるのか、
続編でもいいから、教えてください!!
願わくは○ッ○ーエンドでお願いします(苦笑)
☆彡 ☆彡
南アフリカ
エイリアン
隔離
人間
人間のエゴ
作品から伝わるメッセージ性には、
『ハートロッカー』にも負けない
エッセンスを受け止めることができました。
が、しかし、
わたしは敢えて、そこはあまり意識せず、
エイリアンの姿に対し、かわいらしさすら
感じさせられたのもあって、ポップな気分で、
エイリアンが登場するのに、変な表現かもしれませんが、
時には笑みも交えながら、明るく楽しく鑑賞させてもらいました。
ラストシーンも好きだなぁ。
正しい表現は“グロテスク”なのでしょうが、
私流の表現は“とってもキュートで、切なくて、チャーミング”でした。
“アイデア勝ち”
そして、そのアイデアを
見事な、ストーリーに仕上げ、
映像を、作り上げた手腕に賞賛の拍手を贈りたいと思います(笑顔)
第9地区
4月12日、新宿ピカデリーにて観賞。
去年から非常に期待していた作品でしたが…
ストーリー展開が弱くってあまり燃えることができませんでした。
ただ銃器の使用時が超カッコイイのでそれだけでも観る価値あります。
ちなみに続編…もちろんやるんでしょうな~?
最後のシーンもちょっと切なくて「エビ」ちゃんが可愛らしくも見えます。
予想外!
あまり期待してなかったからなのか、逆に意表をつかれた感じで面白かったです。
エイリアンを人間に置き換えてみると、かなり真剣な人権問題社会派ドラマになりうる映画で、見ながらある種の怖さも感じました。
さらにドキュメンタリータッチで作られているので、リアル感もかなりあります。
SFだけに、つっこみどころや笑えるところもありますが、途中から、エイリアン側に立っている自分もいたりして、「ここで笑って良いんだろうか。。。」といろいろ考えさせられる、なかなか「上手い!」映画です。
続編が楽しみ♪
ちょっとグロいシーンが多すぎたけれど、あのエビの化け物みたいなのに最後には親近感が持てちゃうんだから、確かに作り方が上手いですね(^^)
「3年後」っていう続編が出来ることでしょう(^o^)
知的SFアクション疑似ドキュメンタリー映画。
今年(2010年)のアカデミー賞4部門にノミネートされた映画『第9地区』を一人で観てきました。
20数年前、南アフリカのヨハネスブルグ上空に突然、巨大なUFOが現れ、その乗員達(エイリアン)は「第9地区」と呼ばれる地域に住むことになります。そして、20数年後。エイリアンの管理事業を任されている世界的巨大企業MNUは、エイリアン達を都市と離れた別の地域に強制的に移住させる計画を実行に移します。その計画の責任者となった主人公ヴィカスは「第9地区」に向かうのですが・・・。
この作品に登場するエイリアン達は、人類を侵略する目的で地球に来た訳でも、人類と交流する目的で地球に来た訳でもありません。少なくとも作品の中では、そういう説明は無いです。
ただの「難民」として、たまたま地球にやって来た彼らは、否応なしに強制収容所とも言える「第9地区」に押し込められます。
人類とはあまりにもかけ離れた容姿、文化の違い、言葉の違い・・・。必然的に人類とエイリアンとの間には深い溝ができ、差別が生まれます。
エイリアン達が地球に来てから20数年経ち、エイリアンの管理事業を一任された巨大企業MNUが彼らを人間の都市から遠く離れた地区に強制的に移住させようと主人公ヴィカスを責任者に任命するんですが、その計画の実行中に、些細な不注意な行動から、トンデモナイ事態に発展して行きます。
エイリアンが極秘に20年かけて集めていた謎の黒い液体が入った筒。これを回収しようとしたヴィカスは、その液体を浴びてしまい。体に異変が起きはじめます。
僕は、この作品を見て、蝿男の恐怖を描いた映画『ザ・フライ』を思い出しました。
人間ではない姿に変わっていくことへの恐怖。
愛する者に醜い姿を見られたくない、でも、会いたいという葛藤。
過去の怪物映画に通じるものがあると思います。
そして、この作品の舞台が南アフリカだというのも象徴的です。
南アフリカと言えば、以前は「アパルトヘイト」と言われる人種隔離政策が行われていました。
白人に特別な地位が与えられ、黒人は迫害され、住む所を制限されていました。
この図式が、この作品の人類とエイリアンの関係にそのまま当てはまります。
人類がエイリアンを迫害し、強制的に狭い地区に住まわせる・・・。
モキュメンタリー(疑似的なドキュメンタリー「フェイクドキュメンタリー」をこう言うそうです)という描き方をしているのも、作品の世界にリアリティを与えていると思います。
この作品はSFの形を借りた、凄く硬派な作品だと僕は思いました。
ラストシーンがとても良かったです。
社会派の仮面を取り去ると、そこはアクションの地平線。
これって、本当に低予算なんですか!?
お金、掛かってますよね!?掛かってないの!?
嘘だよ、嘘!!
じゃあ、この脚本とこの面子で、もっとお金掛けたらどうなるの!?
…低予算ですか。本当ですか低予算ですかそうですか。
参りました。とにかく兜を脱ぎます。
超絶面白いです。
これ、観なきゃ損します。
舞台設定を南アフリカにして、宇宙人をアパルトヘイト状態に見立てる導入部分。
そこがメディア的にも取り沙汰されているから、社会派サスペンスな感じかと思ってました。
そこだけに重きを置いてる、所謂「アイデア一発勝負」映画だと。
アクションなんて、まるで期待してなかった。
いやいやいやいや…思っきり、アクションじゃないですか!!
D―9政策はあくまで導入部分としての取っ掛かり。
それから怒涛の展開に、観客はただただ口アングリ状態。
二転三転の窮地、裏切り、ギミック、バイオレンス、エクスターミネート…気が付くと映画は終了というw
心地よい疲労感に包まれ、劇場を後にするw
…訳は分からなくても、凄さは伝わったでしょ?
何だか、続編が作られてもおかしくない終わり方でしたが…どうなんでしょうか?
期待しても良いのですか?ヴィカス君!←主人公の名前
いやあ、なんつーか…
SFがダメとか、グロが苦手ってなら仕方ないと思うのですが…
もう一回言います。
「これ、観なきゃ損しますよ!?」
意外な結末です。
舞台は、今年ワールドカップサッカーが開催される南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。突如姿を表した異星人の乗る宇宙船。宇宙船は、一向に立ち去る気配を見せず、宇宙船に乗っていた異星人達は、「難民」として“第9地区”に隔離・収容される。そしてそれから28年後、スラムと化していた異星人居住地区の “第9地区”からの異星人移送計画が発動され、事件は起きる・・・。
作品は、ドキュメンタリー風に描かれています。なので、しばしば“関係者のインタビュー”的画像が挿入されます。それが、多くの場合は、地球の科学力を軽く凌駕し、地球へ侵略してくると言う対象の異星人が“難民”として描かれていると言う、ともすれば荒唐無稽にも思える作品のプロットに、臨場感を与えています。
作品中で異星人は“エビ”と言われていますが、その“エビ”はshrimpではなく、prawnと呼ばれる方のエビなので、中型くらいのエビと言う事ですね。でもなぁ、私には“エビ”には見えないんですけどね:-p
ところで、映画の舞台が南アフリカ共和国と言うのは、日本で公開される映画としては珍しい設定です。作品中でも、「NYでも、ワシントンD.C.でも、シカゴでも無く、何故ヨハネスブルグ」と言う事を自虐的に(?)言っています。
内容的話ですが、スラムの居住者を強制移住させると言う行為は、嘗て南アフリカ共和国で実際に『第6地区』と言う地域に対して強制移住が行われたと言うことを下敷きにしているらしいです。また、第9地区(=スラム)で行われている数々の違法行為は、現在の南アフリカの治安状況を語っているようにも思えます。いろんな意味で、(過去と現在の)南アフリカ共和国を象徴している映画ですね。
ストーリーは、概ね、予想通りに進行します。って言うか、欲に目がくらんだ人間の汚い一面が、中々衝撃的です。しかし、結末は、そういう事なんですね。アカデミー賞の作品賞にノミネートされた理由が判る気がしました。
第82回アカデミー賞4部門(作品賞、脚色賞、編集賞、視覚効果賞)ノミネート。
突っ込みどころ満載で面白い!
3/24にジャパンプレミア試写会で、アカデミー賞にノミネートされた話題作、第9地区を見に行きました。
場所は、お台場メディアージュ。
試写会の前に、主演のシャルト・コプリーさんが舞台あいさつしてくれ、とてもゴージャスなものでした。
シネマメディアージュには、上記の写真のように第9地区の宇宙船が置いてあって写真を撮って来ました。
そんなに期待していなくて見に行ったのですが、これ、B急映画っぽいけど、とっても面白かったです。
たぶん、中野ダンキチ氏が得意とする「Z級映画」っぽい作りなんですが、グイグイ引き込まれて満足感のある映画でした。
Xファイルが大好きな人なら第9地区は大好物な映画でしょう!
私には、第9地区で主演のシャルト・コプリーさんが、Xファイルのデイヴィッド・ドゥカヴニーと顔が似てるように見えて仕方がなかったです。
エイリアンとのハイブリッド(?)になっていくと黒くてトロリとした鼻血が出たところなんか「あっ、Xファイルと一緒だ~」となんだがワクワクしました。
一緒に見に行った主人は、ところどころ、何かの映画で見た気がして、色んな映画を寄せ集めたみたいなんだけど、新しいタイプのSF映画でとっても面白かったねぇ~と大満足!
エイリアンのしゃべり方がブッシュマンのような話し方で気になりました。
それにしても、エイリアンの名前がクリストファーって・・・(笑)
エイリアンの大好きな食べ物が猫缶だったり・・・B級臭さ満点です(笑)
人間の武器より、エイリアンの武器の方がスゴイ作りだって映画の中で話しているのに、
人間武器にエイリアンがやられちゃうのってオカシイ。
一発で吹き飛ぶスゴイ武器を持っているんだから、人間より強いハズなんだけど・・・
なーんて、ところどころ、突っ込みどころはいっぱいの映画で見逃せません。
最初から最後まで、眠くなるなんてこれっぽちも無く、気が付いたらのめり込んで見入ってしまいました。
ただ、私の隣に座っていた若い女の子にはつまんなかったらしく、映画の最中にケータイを見るわ、隣の彼氏に映画中しゃべりかけまくって最悪でしたので、こういうジャンルの映画に理解の無い彼女とデートで見に行くのはお勧めしません。
判る人同士で行くと見終わった後映画の話で盛り上がること間違いなしです!!
3Dでなくても、面白いものは、面白いのだ
南アフリカ上空に突如現われた正体不明の宇宙船。
“彼ら”と人間の共同生活はそこから始まった。
28年後、市民と“彼ら”の争いは絶えず、共同居住区“第9地区”はスラムと化したため、超国家機関MNUは彼らを強制収容所に移住させる計画を立てた。
ドキュメンタリータッチで始まる前半部分。
設定の説明に費やされ、少し長く感じたが、無駄がなくて良かった。
主人公が謎の液体を不注意に浴びてしまってからの展開は、お見事!
のめり込んで見入ってしまった。
エイリアン達に、色々な服を着せたり、立ちションをさせたり。
小道具の一つ一つが絶妙でセンスが良く、VFXも見ごたえあり。
エイリアンと人間の友情を描いているけれど、銃撃戦も見ごたえあるし、トランスフォーマーもどきのロボットアクションも楽しめる。
エイリアンが降り立った場所が、南アフリカというのも、「インビクタス」を見た後だけに、親近感あり。
アカデミー賞ノミネートも納得。
でも、2つだけ、気になった。
なぜ、麻酔をしないのか??
なぜ、娘婿に”あの親父”が選んだ男が、こんな男だったのか??
でも、これも中盤以降は気にしているヒマがなかった。
グロい部分もあるけれど、
3Dでなくても、面白いものは、面白いのだ。
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