ドン・キホーテ(1957)

劇場公開日:

解説

十七世紀のスペイン作家ミゲル・デ・セルバンテスの長篇小説『ドン・キホーテ』の映画化。E・シュワルツが脚色し、「マキシム」三部作で知られるグリゴーリ・コージンツェフが監督した。撮影はアンドレイ・モスクヴィンとアッポリナリー・ドゥドコ(ロケ場面)、音楽はK・カラーエフ。主演は「イワン雷帝(1946)」で知られ、ソ連人民芸術家の称号をもつニコライ・チェルカーソフ、三十年間演劇、映画に活躍、これもソ連人民芸術家のユーリー・トルベーエフの二人。それにセルフィマ・ビルマン、L・カシャノワなどが助演する。ソホカラー、ソ連初のシネスコ版(キノスコープ)の一九五七年作品。

1957年製作/ソ連
原題:Don Quixote Don Kikhot
配給:独立映画センター=松竹
劇場公開日:1957年11月15日

ストーリー

騎士物語に心酔し、高い理想に燃えるドン・キホーテは、遂に空想と現実の境がわからなくなり、自らを騎士と思い込んだあげく、百姓娘アルドンサ(L・カシャノワ)をドウルシネヤ姫に仕立て、小男の百姓サンチョ・パンサ(Y・トルベーエフ)を引きつれて諸国遍歴の旅に出た。羊を見失って主人から折檻される羊飼の少年をたすけ、美しい貴婦人の旅行馬車を悪魔にさらわれる姫君と勘ちがい、従者を追い払ったが、彼女アルチシドラ(T・アガミーロワ)はこの狂人に興味をもった。だがドン・キホーテはさらに旅をつづけた。囚人たちを解放したが、逆に袋叩きにあったり、旅篭屋を城と思って酒蔵にとじ込められたり、一時帰郷して病床に伏した。治療に当った医学士サムソン・カラスコ(G・ヴィツィン)は、ドン・キホーテを何とか正気にもどそうとするが、苦しむ民衆の声を感じる彼は、再び出発を決意した。その時、アルチシドラが公爵の宮廷から迎えに来た。ドン・キホーテを道化者として、貴族がなぶり者にしようというのだ。知らぬ彼はサンチョと共に宮廷におもむき、その果にアルチシドラが自分に恋をしていると嘘をつかれ、笑い者にされる。一方サンチョもある町の殿様に祭り上げられるが、一晩で放り出され、二人は再び旅をつづけた。折しもドン・キホーテは風車を悪魔と思って負傷し、通りがかりの「白月の騎士」と一騎打をして落馬する。「白月の騎士」と思ったのは、実はカラスコで、ドン・キホーテを故郷にともなった。だが、彼は疲労によって死の床につく。次第に意識を失いながら、彼は「自由のために、勝利の日まで、進め、進め」と心の中で叫んでいた。

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