劇場公開日 2001年4月28日

「ジャックの心情の移り変わりの描き方が安易な印象」天使のくれた時間 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ジャックの心情の移り変わりの描き方が安易な印象

2024年4月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ウォール街で自分のために仕事一筋で働いて大金を稼ぎ、刺激的な生活を楽しんでいた独身の男ジャック。そんな彼が、目が覚めてみれば平凡な家庭の主人。他人の生活を預かり自分の人生だけを考えてはいられない立場になり、オムツ替えや子供の送迎などに苦労するのが笑える。

2つの対照的な生活を経験したジャックが、やがて本当の幸せに気づくというストーリーだが、彼の心情の移り変わりの描き方は安易な印象を受けた。元々子供や犬の世話や、刺激の少ない毎日に不満だったのに、結婚記念日付近からそういった平凡な生活に対して、急に幸せを感じているような描写が増えるので不自然。もっと子供と仲良くなるきっかけとか、嫌だった犬の散歩に楽しみを見つけるだとか、そういった目の前の出来事に幸せを見出すきっかけとなるエピソードが色々とあれば良かった。そのようなエピソードを踏まえ、平凡な毎日も悪く無いと彼が思うようになる構成であれば、よりストーリーに深みが出て面白くなったと思う。

根岸 圭一