劇場公開日 1999年4月17日

「こんな愛情に包まれたなら、どんなに辛くても人生は美しい」ライフ・イズ・ビューティフル つなやんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5こんな愛情に包まれたなら、どんなに辛くても人生は美しい

2017年4月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

午前十時の映画祭にて鑑賞。前半は戦争の影を感じつつも、主人公が運命の女性と結ばれるまでをコミカルに描く。伏線や演出は小気味よく思わず笑みがこぼれる。ユダヤ人の強制連行が始まってからも主人公のスタンスは変わらず、収容所においても、息子、妻にユーモア溢れた愛情を注ぎ続ける姿、また、それだからこそホロコーストの悲惨な運命の落差に、人間の営み戦争は一体何なのかと疑問を抱かざるを得ない。主人公の過酷な運命をひょうひょうと受け流し、息子にゲームだと言ってみせるひょうきんさの裏に隠された強さ、利発で素直な息子のかわいらしさ、そして戦争に翻弄された家族の運命に心揺さぶられた。この作品を好きな映画に挙げる人は多いようだが、まさに納得の完成度。

つなやん