マデリーン 愛の旅路

劇場公開日:

解説

許されぬ愛に身を焦がす実在した女マデリーン・スミスの生き方を描く。製作はスタンリー・ヘインズ、監督はデイヴィッド・リーン、脚本はニコラス・フィップス、スタンリー・ヘインズ、撮影はガイ・グリーン、音楽はウィリアム・オルウィンが各々担当。出演はアン・トッド、ノーマン・ウーランド、イヴァン・デニ、レスリー・バンクスなど。

1950年製作/イギリス
原題:Madeleine
配給:インターナショナル・プロモーション
劇場公開日:1976年4月20日

ストーリー

マデリーン・スミス(アン・トッド)はグラスゴーのブルジョワ娘だった。ある日スミス一家は市内の新しい家に引っ越し、マデリーンは地下室を妹と自分の部屋とした。父(レスリー・バンクス)は適齢期になったマデリーンが男に無関心なのを気にしていたが、実は彼女には夜な夜な街路から密かに合図をおくる男ランジェリエ(イヴァン・デニ)がいたのである。ランジェリエは市のスラム街に住む貧乏なフランス人で、彼女との交際は許されない相手だった。しかし、それ故に街路に響く男の靴音を聞きつけ、投げ込まれる手紙を拾いに窓辺にかけよるマデリーンは熱い想いにかられるのだった。娘を案じる父は、ミノック(ノーマン・ウーランド)という上品な青年を娘に近づけた。やがてマデリーンとランジェリエの関係を知らないミノックはマデリーンに求婚した。マデリーンは、その申し出を断われば父の怒りにふれることを気づかい、曖昧な態度で返事を引き伸ばしランジェリエに駆けおちしようといった。しかし、野心家のランジェリエは彼女の父親の許しをとりつけ、正式な結婚によってグラスゴーのブルジョワに仲間入りしようという計算から、彼女の申し出を断わる。その彼が次にマデリーンの家を訪れたのは、婚約するから今までの恋文をすべて返せと彼女がいってきたときだった。この屈辱にランジェリエは、手紙を証拠に一切を父親に暴露しようとした。その直後、マデリーンは今までの態度を一変した。それは今まで見せたこともない情愛に充ちていたため、彼は先刻の怒りも忘れて、さし出されたココアを味わった。数日後発見されたランジェリエの死体から多量の砒素が検出された。彼の知人がマデリーンとランジェリエの関係を暴露したために、当局の捜査が開始された。そしてマデリーンは捕えられ、公判に付された。市はこのスキャンダルでもちきりだった。しかし、死体から発見された砒素が彼女の愛用する顔料であったことが立証されるに及んで、彼女は無罪釈放となった。

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映画レビュー

3.5毒薬と令嬢

2021年12月5日
Androidアプリから投稿

1857年のスコットランドのお嬢様が起こした
スキャンダラスな事件を題材にした映画
現在では大半の研究者が彼女の犯行を確信しているらしい

アン・トッドが実年齢(41歳!)をあまり感じさせないが、当時では考えられない、恋に溺れ、追いつめられ、犯行に及んでしまった 若い女性にはちょっと見えない時があり
主人公にあまり同情を寄せられなかった
反対に(その年齢により?)
冷淡さが強調されたような気が
(これでいいのか??)

映画は観客の判断に任せるようにしたのだろうが
ちょっと物足りなかったような

それでも物語はテンポよく進み
美術や衣装、スコットランド民謡による踊り
毒薬の使用法、地下の寝室とか面白かった

有名な建築家の家系でもあり
地階の別の活用法を
マデリーンは思いついたのだろうか(笑)

優秀な弁護人がついたのも家系の強さだが
彼女の名前は知れ渡り、その後の2回の結婚で
名前を変えているようにも思える
またアメリカに渡り93歳で没している
(アメリカはいい逃亡先でもあるのね)

婚約者が「友人が助けてくれる」と言っていたように
スコットランドのアッパーミドルクラスのネットワークも活用したのだろうか?

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jarinkochie
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