劇場公開日 1959年9月26日

「ミステリーとラブロマンスのバランスが絶妙」北北西に進路を取れ オレさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ミステリーとラブロマンスのバランスが絶妙

2018年4月10日
iPhoneアプリから投稿

怖い

知的

難しい

NYにて広告代理店の社長を務めるロジャーソーンヒルがキャプランなる人物に間違えられたことから始まる謎の組織との頭脳戦を描いた名作ミステリーの1本。

カプランという身に覚えのない人物、そのカプランを追っているというタウンゼント氏とその手下たち、命からがらに逃げ帰ったのちに再度訪れたタウンゼント家の奇妙な様子などなど、国連での殺人シーンに至るまで全てが謎で主人公のロジャーとともに観客も全容がわからない状態で進む前半と、
カプランの正体とその目的と黒幕、諸悪の根源であるヴァンダムの登場などを謎の美女イヴケンドールとロジャーのラブロマンスを絡めた展開で進んでいく後半とのバランスが絶妙な今作。
特に国連にて出会ったタウンゼント氏が前夜に出会った人物と全く違う点と健在であったタウンゼント夫人が実はすでに死去していると明かされたシーンは鳥肌がスゴかった。

複雑なストーリー展開や登場人物の立場もあって後半は少し理解が難しいが、後半のヴァンダムのアジトの展開からエンディングまでが電光石火のテンポの良さかつ意外にもハッピーエンドでかなりの傑作だと思う。
中盤の荒野での飛行機との戦闘シーンの緊張感やオークション会場でのロジャーのキレの良さなど名シーンもたくさん。
ただの普通の男のはずのロジャーソーンヒルが一流スパイも顔負けの活躍を見せるアルフレッドヒッチコックの傑作。また観たい。

オレ