フル・モンティ

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

失業中の男たちが男性ストリップに挑む姿をユーモアたっぷりに描いたイギリス製ヒューマンコメディ。イギリス北部の街シェフィールドはかつて鉄鋼業で栄えていたが、現在は不況のあおりを受け失業者で溢れかえっていた。その中の1人であるガズは、養育費を払えず元妻に息子を奪われそうになっている。そんなある日、男性ストリップショーで熱狂する女性たちを目撃した彼は、自分もストリップでひと儲けしようと思いつく。一癖も二癖もある寄せ集めのメンバーたちとともに、猛特訓を開始するガズだったが……。主人公ガズ役に「トレインスポッティング」のロバート・カーライル。

1997年製作/93分/イギリス
原題:The Full Monty
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1997年12月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第70回 アカデミー賞(1998年)

受賞

作曲賞(ミュージカル/コメディ) アン・ダッドリー

ノミネート

作品賞  
監督賞 ピーター・カッタネオ
脚本賞 サイモン・ビューフォイ

第55回 ゴールデングローブ賞(1998年)

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
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写真提供:アマナイメージズ

映画レビュー

4.0どうしたって苦笑、失笑、爆笑が沸き起こる派手さのないヒューマンコメディ

2022年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館

ロバート・カーライルが主人公のガズに扮しており、「トレインスポッティング」ファンだったこともあり、公開後しばらくしてから劇場で鑑賞。あの頃、こういう決して派手さのない作品でも、劇場にはそこそこ人が集っていた。そして、そこかしこから苦笑、失笑、爆笑の声が聞こえてきたものだ。

イギリス北部の街シェフィールドが舞台。かつて鉄鋼業で栄えていたけれど、いまは不況の影響で失業者であふれかえっていた。ガズも養育費すら払えず、別れた妻に息子を奪われそうになっていた。そうこうしているうちに、男性ストリップショーに熱狂する女性たちの姿を目撃した男たちは、自分たちもストリップで一儲けしようと思い立ち、寄せ集めのメンバーが猛特訓を開始する。
こういってはなんだが、失業した中年の男たちがストリップに挑む姿は滑稽そのもの。その必死さが観る者に笑いを誘い、果ては胸アツな感情を呼び起こすにまで至る。それは、どこまでも役者たちの演技力による賜物といえよう。

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大塚史貴

3.5ようやく見た

2024年2月10日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

公開当時、同僚にお勧めされたが、なんとなく縁がなく20年以上越しでようやく視聴。内容は絶賛とは言えないが、今見てもまぁまぁの良作。あまりに過度な展開がないので、ひょっとして実話ベース?と思ったがそうではなさそう。

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ダビ

5.0自分史として、こんなに泣いた映画はないかも

2022年8月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

〈自分の“日記”なのでコメントは閉じています〉。

この映画で笑えるんだろうか?
若い人なら笑えるんだろうなあ。

この映画は、大学生だった我が息子から
「面白いよ」「ギャグ映画だよ」としてサジェストされたんですが、ちょっと面喰らうほどのジェネレーションギャップ。そして大人たちが負っている痛みへの感度の違いに、息子がなんだか遠くなってしまった推薦の辞でした。

まあ、仕方ないね。
親と子とはこんなものだ。
生きている場、責任、トポスが違う。

・・・・・・・・・・・・・

斜陽の国 イギリスで
炭坑町も、鉄鋼の町も傾いていく。

この映画「フルモンティ」は、
「リトル・ダンサー」
「我が谷は緑なりき」
「ブラス!」
「フラガール」

などと並んで、不況と解雇の大波に押し潰されそうになりながら、ただただ我が子の幸せのために、自分が犠牲(ピエロ)になってやろうじゃないかと足掻いた親たちの、涙の一本だ。

・・・・・・・・・・・・

10年ほど前のことだが、
僕の勤める会社では 創立以来初めてのリストラがあった。
取引先は支払い額を3割下げ、消費税と燃料代は非情にも上がり続け、僕の手取りも3割減った。

リストラが始まり、
「なんとか自分が生き残れるために必死だった」し、
恥ずかしいけれど正直に告白すれば「誰かがへまをして僕の代わりに首になってくれること」を僕は祈っていた。

(「シンドラーのリスト」だったか、「ライフイズビューティフル」であったか、“ガス室の死の選別”を逃れるために、女たちは指先を切り、頬に血を塗って“血色良さそうに”運動場を走り回っていたよね。転べば終わりなのだ。よろめく姿を見られたら終了なのだ。
ガス室なのだ。

ー あの絶体絶命のシーンを当時仕事をしながら思い出していた。
黒い手帳を開いた監査役がずっとこちらを見ている。
冗談ではなく必死だった )。

失業できない理由が僕にはいくつかあった。

・・・・・・・・・・・・・

中略

・・・・・・・・・・・・・

・・だから僕は何があっても失業してはいけない。
そんな綱渡りの時期の、背水の陣での、リストラのさなかに観た映画がこの「フル・モンティ」だったのだ。

気を抜くと切迫感で膝がガクガク震え出し、責任の重さでどうにかなりそうだった。
寝ないで働いたから、体を壊して通院しながらの金策だった。

・・・・・・・・・・・・・・

劇中、
男たちは弱いよね。
⇒自尊心と責任感があったぶんだけ、逆境と自分の不甲斐なさに亭主たちは苦しみうめいている。
妻や子供を守り切れなかった「プライドも甲斐性もズタズタ」の駄目男たちの姿だ。

女たちはその男たちの弱さをよーく知っている。
それゆえ、それだからこそ、
「その街に、そしてそれぞれの家庭に、忍び寄る失業の不安の影を (ともすれば不安に押し潰されて叫びながら逃げ出してしまいたくなるようなその心細さを) みんなでストリップでもやって大声で笑い飛ばしてやろうや!」
と言うのだ。女たちは。

あのステージ。
女たちのはしたないほどの腹の底からの笑い声と、それに応えた全裸の男どものステージに、
僕ははからずも、胸迫って、ひとりアパートで声を抑え切れずに泣いてしまった夜だった。

切羽詰まった弱い男たちを、素っ裸にしてやって、自殺や失踪から救ってくれるのは、これは逆説的だけれど、気持ち相容れずにいてくれる (男から見れば無神経で図太くて心通わない)、そんな女たちの腹の底からの大笑いなのかもしれない。

・・・・・・・・・・・・・

中略

・・・・・・・・・・・・・

「若い頃の苦労は買ってでもしろ」と言うけれど、たとえ世間知らずで終わったとしても、大人たちが体験した辛過ぎる苦労の日々は、我が子には味わわずにいてもらいたい。
「フル・モンティは面白いギャグ映画だ」とずっとあいつには言っててもらいたいと僕は思う。

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きりん

3.0落ちこぼれが集まって一発逆転を狙う物語

2022年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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葵須
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