劇場公開日 1964年9月12日

「うんめいのひと…」ブーベの恋人 とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5うんめいのひと…

2019年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

初恋と、側にいて自分を大切にしてくれる人。どちらを選ぶのか。
そして最終的に選んだのは…。
同じ「運命の人」でも、成長するにつれてその意味づけが変わる。
現代にも通じる物語。

そこに、現代史が絡む。ファシズムってムッソリーニのこと?微妙に『山猫』でも聞いた名前が出てきて…。
「何百人も戦争で殺せば英雄」ってよく聞く話だけれど、
終戦後の司法は、そんな慣習を断ち切り、私的なリンチを抑え込みたかったのか?でも映画ではそこは深く突っ込まない。

マーラ。映画の終盤に語られる年齢から逆算すると、裁判の頃は20歳の設定。ブーベと出会った頃は、今なら高校生くらいの年齢か。
言動・振舞い・行動基準。いるいるこんなJK。
10代から20代後半までの演じ分けが見事。
10代の野良猫かと思うような生命力から、年を経るごとにしっとりとしてくる。

あと、裁判前後の映像が凝っている。ここだけ特殊なので、きっと何か意味があるのだろうと思うが、私にはわからない。こういう時、淀川さんとか水野さんの解説ってすごかったんだなと懐かしい。

とみいじょん