劇場公開日 2021年10月15日

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「観たかった度◎鑑賞後の満足度◎ 約90年前の映画とは思えぬ先進性、斬新さ、完成度、いまだに色褪せぬ社会風刺とフランスらしいエスプリ。 映画を我等に!」自由を我等に もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5観たかった度◎鑑賞後の満足度◎ 約90年前の映画とは思えぬ先進性、斬新さ、完成度、いまだに色褪せぬ社会風刺とフランスらしいエスプリ。 映画を我等に!

2023年6月13日
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鑑賞方法:VOD

①サイレント映画の手法がふんだんに使われ、またミュージカルかと思えばスプラスティック・コメディ、かと思えば機械化やお金に振り回される社会・人間についての風刺劇の面もあり、上流社会への皮肉もあれば失恋あり不倫あり成就する恋もあり、犯罪ドラマのスパイスも振りかけ、よくこんなに詰め込めるな、と思うのにどれも付け足し感なく一編の映画としての完成度の高さ。
さすが、フランス映画であり、ルネ・クレール監督である。
戦前からの映画批評家の先生達がフランス映画を愛した理由がよくわかる。
②冒頭の刑務所における囚人達の流れ作業でお馬さん人形が出来ていく描写と、中盤のレコード会社工場での流れ作業で蓄音機が出来ていく描写とが呼応している構成。
人間が機械に使われている描写は『モダン・タイムス』そっくりと思ったら、本作の方が本家でした。
③ついには機械が自動で製造して人間の労働者が要らなくなるところまで進んでしまうが、90年経ってもここまで進んでいないというか、AIが発達していずれ何でもAIが人間の代わりになるのでは、との弊害というか脅威を既に予見していたよう。
いやはや何ともである。
④しかしなんといっても、何からの自由か、という問いかけの先に、“自由”に生きるのが一番幸せという人間賛歌で締めくくっている事に心暖まる。

もーさん