劇場公開日 2023年6月3日

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コシュ・バ・コシュ 恋はロープウェイに乗ってのレビュー・感想・評価

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4.5タジキスタンの街、若い男女がいい感じになりそうな、ならなさそうな物...

2024年3月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

知的

タジキスタンの街、若い男女がいい感じになりそうな、ならなさそうな物語。
どちらも不器用で、気の利いた言葉もなく。
浮ついた言葉よりも、真面目なんだろうなと、ほほえましくなりました。

ロープウェイ、ひと時の密室での、出来事の味わいも。

賭博好きな男性、それを嫌悪する女性・・・の構図は、各地で共通なのでしょうかね。

内戦中で、銃砲の音が断続的に響く生活にも驚きです。

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woodstock

2.0コシュ・バ風花

2023年12月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

この監督の映画は「ルナ・パパ」しか見たことがなかったので、もう一本ぐらい見ておこうと。
若いカップルの恋の綱渡り(!)は微笑ましくもあるが、何かとちぐはぐな関係性であまり盛り上がらない。そもそも賭博にうつつを抜かすミラの父親がクズ過ぎて、同情の余地がない。最後借金がどうなったのかもよくわからなかった。
ロープウェイは映画のアイテムとしてなかなか効果的。随所に投入される俯瞰ショットが良いね。しかし観光地でもなさそうなのに、何のために設置されているのだろうか?
この映画の撮影時、タジキスタン内戦のさなかのようで、銃声やら戒厳令やら剣呑な要素も時折よぎるが、案外軽く流される。何だか住民は無気力で希望を失っているようでもある。当時膨大な数の難民が発生したようで、彼らが賭博に耽溺してしまうのも致し方ないことかもしれない。
タジキスタンはロシア主導のCIS(独立国家共同体)の加盟国だが、監督はこの映画を撮った後ドイツに移住している。その後49歳で早世したらしい。

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梨剥く侍

3.5名作に近い佳作

2023年11月4日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

名作に、なり損ねた佳作って感じで、惜しい…

前半あまり面白くなく、眠くなってウトウト…

『少年、機関車に乗る』も眠かった…この監督って眠くなるんだよな…と落ちゆく意識の中、

折り返し地点の40分ぐらいから普通に面白く、すっかり目が覚めました。

タジキスタンが見下ろせる丘からのロープウェイ、そのロープウェイから見えるタジキスタンの風景が美しく、

ロープウェイの中で愛を育んだり、とてもロマンチック、

ロープウェイでもニューヨークとかじゃなく、自然が豊かで素朴なタジキスタンってトコがポイントです。

映画史に残るような名シチュエーションでは。

女の人は好きだと思います(笑)

この監督の作風として、

内戦下でも、笑い、怒り、恋し、旅に出る、人々が登場し、ゆかいで切ない夢の様な物語。

が特徴みたいで、

この作品でも、難民や軍隊が出てきたり、夜空に花火の様に砲撃?が輝いたりしますが、

暗く深刻ぶらず、明るくユーモアを交えて、描いてます。

最後、終わり方も良かったです(笑)

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RAIN DOG

4.0常に銃声鳴り響く内戦下のドゥシャンベの街。 世界は決して優しくはな...

2023年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

常に銃声鳴り響く内戦下のドゥシャンベの街。
世界は決して優しくはないけど、人々は強く可笑しく愛おしく生きて行く。
不器用だけど真っ直ぐな恋とそれを取り巻く魅力的な人々と風景。
まるで自分もこの異国の街に生きているかのような臨場感。
悲しみと喜びと怒りが綯い交ぜになりながらも愛おしくも、のほほんとした日常は続く。
そして旧来の価値観に凝り固まった男たちと真っ向からそれに立ち向かうヒロイン。
いまこのとき、再発見されるべくして再発見された作品だと思いました。

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しん

4.5変幻するロープウェイ

2023年6月29日
iPhoneアプリから投稿

『少年、機関車に乗る』に引き続き、オブジェクトの巧みな運用が光った傑作だった。

ロープウェイという単純な乗り物はフドイナザーロフの遊び心の赴くままに幾度となくそのステレオタイプ的な在り方を解体され、再び構築される。あるときには交通機関、あるときには密輸船、またあるときには簡易なラブホテルに。人間との関わりを媒介にオブジェクトの新たな局面を次々と開拓していく華麗な手捌きに思わず陶酔してしまう。

ロケ地に関してもよくこんな場所を見つけてきたものだと感心する。急斜面にへばりつくように家屋が並び立つ街、屋根だか通路だか不明瞭な道、迷路のように入り組んだ路地、街を見渡せる丘の上の難民集落、そしてロープウェイ。

跳ねっ返りの青年たちの行き先不明の恋模様、そして彼らの住む街の不安定な政治情勢(=タジキスタン内戦?)は、同じく地に足の着かぬロープウェイとともにフラフラと揺れ動き、そのおぼつかなさが物語に豊穣なサスペンスをもたらす。終盤、戒厳令下の夜の街に飛び出した青年とそのガールフレンドがバスを乗り回すシーンは印象的だ。深い霧の中に完全に飲み込まれていくバスと、その背後を走る戦闘用車両とパトカー。いつ物語が哀しい寸断を迎えてもおかしくない緊張感があった。

街を去るガールフレンドを青年が追いかけるラストシーンは爽快だ。青年はガールフレンドを乗せて発車したロープウェイを地面から必死に追いかける。次いで車に乗り込んだ彼女。今度はそれを自転車で追いかける。噴水広場の前で繰り広げられる追走劇はなんとも微笑ましい。狙い澄ましたかのように放出が始まる噴水も素敵だ。

それはそうと劇中で幾度となく登場するサイコロ賭博に似たあの賭け事(数個の石を投げるやつ)は一体なんなんだろうか。何をもって勝敗を決するのかまったくわからなくて面白かった。

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因果

4.0ロープウェイの利用方

2023年6月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

フドイラザーノフの長編2作目。
昔、話題になってたのは知ってたんですが未見でした。見とけばよかったー。
父親の借金のかたに取られた娘と、ロープウェイの運行管理をしてる若者の恋愛譚です。ロープウェイの反復の単調さと宙ぶらりんの不安定さが素敵舞台設定だと思います。しかも撮影中にタジキスタンは内戦に突入し、働かず賭博やってるダメ親父達の横の川を死体が流れていったり、強烈なリアリティですよ。撮り直したり脚本変えたり大変だったらしいですが結果話は深みをましたと思う。
編集でヒロインが突然泣き出すシーンがあり、ちょっと編集がおかしいなあ、、脚本変更、または彼女が父親の元に帰る理由シークエンスが長くてカットされたのかなぁ?と邪推した。

ロープウェイはデートはもとよりラブホだったり、隠れ家、密談、物資の配給だったり色々使えて便利だと今回知りました。

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masayasama