劇場公開日 1955年11月22日

「ずっと反核を貫き通した黒澤監督」生きものの記録 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ずっと反核を貫き通した黒澤監督

2019年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ずっと反核を貫き通した黒澤監督が『七人の侍』の次にメガホンをとった作品。三船敏郎初めての老け役とかマルチカメラシステムの採用など、映画にかける情熱はさすがだ。

 物語は親類縁者一同が中島喜一を準禁治産者宣告するよう家庭裁判所に申し立てるという展開で始まる。気が狂ったように水爆実験に怯え、家族を皆ブラジルに移住させたがる男。ただ、準禁治産者の問題を家族会議で話し合うのもどうかなあ~と感じつつ、結局は金持ちの逃げだろうと思えだした。この頃だと設定も斬新だったんだろうけど、後に核シェルターブームが起こったこと同じで、インパクトが弱い。

 世界中どこへ行っても放射能の影響はあるのだと痛感。その後のチェルノブイリ事故を考えても先見の明はあったんじゃないか。

kossy