奇跡の海
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奇跡の海

劇場公開日

解説

純真な愛に自らの全てを捧げた善良な女の生と死を描いたラヴ・ストーリー。監督・脚本は「ヨーロッパ」「キングダム」のデンマークの映画作家ラース・フォン・トリアー。北海油田に近いスコットランドを舞台に監督した。全編手持ちカメラによる大胆な撮影は、ヴィム・ヴェンダース監督作品で知られる、「デッドマン」のロビー・ミュラー。7つに分けられた各章の冒頭には、プロコル・ハルム、エルトン・ジョン、ディープ・パープル、レナード・コーエン、デイヴィッド・ボウイら、映画の舞台となる70年代のロックが画面を彩る。各章冒頭のタイトルにはペル・キルケビーのデザインによる、現実の風景ショットにデジタル加工を加えた動く風景画のような象徴的なパノラマが挿入されている。主演は本作が映画デビューとなるRSC団員のエミリー・ワトソン、ストックホルム王立劇団メンバーである「存在の耐えられない軽さ」「レッド・オクトーバーを追え!」のステラン・スカルスゲールド。共演は「ネイキッド」「ビフォア・ザ・レイン」のカトリン・カートリッジ、「ヨーロッパ」のジャン・マルク・バール、「キングダム」のウド・キアーほか。96年カンヌ国際映画祭審査員大賞受賞。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第9位。

ストーリー

北海に面したスコットランドの村。ベス・マクニール(エミリー・ワトソン)は北海油田の労働者ヤン(ステラン・スカルスゲート)と結婚する。ベスの義姉ドド(カトリン・カートリッジ)やヤンの同僚たちは心から祝福するが、ここは厳格なプロテスタント信仰が根強い排他的な土地。教会の長老たちなどは白い眼を向ける。幸福に満ちた新婚生活も束の間、ヤンは油田に戻らねばならず、残されたベスは彼からの電話だけを楽しみに生きる。休暇まであと一週間、ベスはヤンを早く戻して欲しいと神に祈る。油田で事故が置き、ヤンは頭に重傷を追う。命だけは取り留めたが、全身麻痺のまま回復の見込みはない。神は「お前の望み通りヤンを返した。これからお前の愛が試されるのだ」と告げる。ベスと看護婦であるドドは献身的に介護するが、ヤンは絶望して自殺さえ図る。妻を自分の犠牲にしたくないと思った彼は、ベスに愛人を持つように言う。その愛の行為を自分に話せ。そうすることで自分もお前と愛し合うことができる。そして自分を生かすことができるのはお前の愛だけだ。ベスは夫の言葉を信じ込んで、男たちと関係を持ちはじめ、ついに娼婦に身を落とす。ベスは「お前の愛の証をみせよ」という神の命令に従い、ドドとヤンの主治医リチャードソン(エイドリアン・ローリンズ)の忠告も、このままでは教会から追放されるという母(サンドラ・ヴォー)の嘆きも耳に入らない。リチャードソンはベスを救うには精神病院に入れるしかないと判断し、自分の言葉が妻を破滅させつつあると悟ったヤンも同意書に署名する。ベスは病院に向かう車から逃げ出すが、家には受け入れられず、教会からは追放され、子供たちに石を投げられて追われる。疲れ果てたベスはドドにヤンが危篤だと知らされ、沖合に停泊する不気味な大型船に向かう。やがてその船長(ウド・キアー)らにナイフで滅多刺しにされたベスが病院に担ぎ込まれる。ベスはヤンの病状がまったく好転していないと聞き、では自分が間違っていたのだと言い遺して死ぬ。ヤンは奇跡的に回復する。ベスを教会に埋葬すれば葬儀も行えず、地獄へ行くと宣告される。ヤンは妻の遺体を密かに盗み出し、海上油田で海葬に付した。翌朝、遙か天空高くの雲のなかに鐘が顕現し、その音色が海上一面に響き渡った。...

作品データ

原題 Breaking the Waves
製作年 1996年
製作国 デンマーク
配給 ユーロスペース配給(アミューズ=カルチュア・パブリッシャーズ=テレビ東京=ユーロスペース提供)
上映時間 158分
映倫区分 R15+

提供:株式会社キネマ旬報社

受賞歴

第69回 アカデミー賞(1997年)

ノミネート
主演女優賞 エミリー・ワトソン

第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)

ノミネート
最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演女優賞(ドラマ) エミリー・ワトソン

第49回 カンヌ国際映画祭(1996年)

受賞
コンペティション部門
グランプリ ラース・フォン・トリアー
出品
コンペティション部門
出品作品 ラース・フォン・トリアー

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映画レビュー

平均評価
3.9 3.9 (全9件)
  • 変態夫婦。 トド 義理姉がヤンと町を離れ夫婦になれば全てがハッピーエンド。 ベスには共感出来ないしチョット頭が足りない女性にしか見えなくてイライラする。 章ごとに流れるロックンロールが最高。 ...続きを読む

    万年 東一 万年 東一さん  2016年5月6日  評価:3.0
    このレビューに共感した/0人
  • ちゃんと悲しい ずっと気になってて、その本編時間の長さに手が出なかった一作です。 ラースフォントリアー監督なので人間描写はピカイチでした。ヒロイン、ダンナ、義姉、母、全ての登場人物に魂がこもっててほんとによかっ... ...続きを読む

    アリンコ アリンコさん  2016年1月4日  評価:4.0
    このレビューに共感した/0人
  • 一応ハッピーエンド? この監督の映画って、なんか実験的な上に見てて気分が悪くなってくるのが多いのに、何故か見てしまう。 今回はまだハッピーエンド(なのか?)なのでいいけど・・・でもやっぱり途中は可哀相なことになるねん... ...続きを読む

    eliminator250v eliminator250vさん  2015年8月26日  評価:3.0
    このレビューに共感した/0人
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