劇場公開日 2004年12月18日

「誰も観た事のない空前絶後の映画」理由 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0誰も観た事のない空前絶後の映画

2020年4月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

空前絶後とはこのこと
誰も観た事のない映画、そして恐らく今後も誰もこのような映画を撮ることはないと断言できる映画です
いや撮れないというべきです
それでいて、明らかに大林宣彦監督作品らしさが濃厚にあるのです
確かに一見、尾道を舞台にした作品群とは雰囲気が異なります
しかし大林宣彦監督作品らしい叙情性、少女の目を通した未来への希望、望みと言ったものが濃厚にあるのです

大林宣彦監督デビュー作品のHouse ハウスと同じような革新があります
正に直接で結ばれるべき斬新さだと思います

DVDの特典映像に理由を撮った理由と言うタイトルの大林宣彦監督自らが語るメイキング映像があります
まるで生前葬のように感じました
メイキングの後半は本作にかかわった美術、持ち小道具、照明などの助手を務めた若い女性達へのエールでした
そしてこれを観る後進の映画人、映像ファンへの映画作りの特別授業でもありました

2020年4月10日大林宣彦監督は永眠なされました
しかし、監督の作品は永遠の生命をもって次の世代の映画人にバトンを渡そうとしています
私達映画ファンにもバトンは渡されています
良い映画を視て、良い映画を楽しむ
そうなさいと監督に言われたような気がしました

あき240