トントンギコギコ図工の時間

劇場公開日:

解説

無認可保育園をドキュメントした「こどもの時間」の野中真理子監督の第2作目。今作は、少し成長して思春期に近づいていくちょっと大人な子どもたちの時間が暖かい視線で映し撮られる。

2004年製作/99分/日本
配給:「トントンギコギコ図工の時間」製作上映委員会=サスナフィルム
劇場公開日:2004年5月1日

ストーリー

トントントントン、ギーコギコギコ…。日の当たる教室の中から、にぎやかな音が聞こえてきます。ここは、東京都品川区立第三日野小学校の図工室。週に1回2時間ずつ、いろいろな学年の子どもがやってきます。ある日の図工室に集まっていたのは、3年生。子どもたちの真ん中で、バケツを抱えてニコニコしているおじさんは、図工専科のウチノ先生です。「ジャジャーン!」とウチノ先生がバケツをあけると、机の上には古いクギがてんこ盛りになりました。「使えるクギを、探してください」。錆びたり曲がったりしたクギを見て、子どもたちは「全然見つからない!」「さびてるじゃん」とブツブツ。すると今度は、ウチノ先生がトンカチの使い方を教えてくれます。「最初は釘を手で押さえてトントン。それから手を離してドンドン」。両手に乗るくらいの角材に、先生が数本のクギを打ちこみます。「なにか模様ができるね。やってみる?」「はーい!」それから子どもたちは、無我夢中でトントンドンドン。箱とか本立てとか、何か役に立つものを作るわけではなく、ただひたすらにクギを打つのです。1時間後、彼らの小さな手の中には、ひとりひとりの友だちとなる「クギ人間」が誕生していました…。図工の時間、それは子どもたちが、カラダ全部で自由に自分を表現する時間。宝物のような自分と世界を発見し、生きていく喜びを吸いこむ空間。今日も、図工の時間があって、ほんとうによかったね。東京・品川のごく普通の公立小学校の子どもたち。学校に通って、友達と遊んで、塾に行って、ケンカして…。大人と同じように、彼らの日々も一筋縄ではいかない。そんな毎日の中に、週に一度の図工の時間がある。それは正解を求めるための時間ではなく、自分らしさを自由にカタチにできる時間。職人の親方みたいな雰囲気の図工専科のウチノ先生と一緒に、「うるさい」「危ない」「汚れる」「やめなさい」と、しばられることなく、子どもたちは自分の作品と真剣に向き合うのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5自由にモノをつくるって楽しい!

2008年5月17日

笑える

楽しい

興奮

野中真理子監督は、子どもたちの表情に宿る、生きる喜びと優しく力強い笑顔(そして時々泣き虫の顔)を映像に捉えたドキュメンタリー「こどもの時間」が大傑作だったので、早速、本作を観に行ってみた。

観てもらって初めてその魅力が伝わる作品だと思うので、感想については多くは言わないけれど、子どもを持つ親はもちろん、将来もしかしたら親になる可能性のある人たちに、ぜひ観てもらいたい作品だとだけ言っておきます。

正直に言えば、ナレーションやテロップなど作り手の主観が最小限に押さえられた「こどもの時間」の方が好きなんだけど、子どもたちの手が生み出す自由な図工作品とそれを見守る図工の先生の温かい視線を感じられただけでも、かなり満足でした。

もし、将来自分が子どもを授かったら、いなほ保育園に通わせたいと思うし、素敵な図工の先生に出会ってくれたら最高です。

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ダース平太
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