宗方姉妹のレビュー・感想・評価
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「新しい、ってことは古くならないもののことなの」
姉(田中絹代)は結婚しているが、夫(山村聡)が失業し実家で暮らしている。
妹(高峰秀子)は未婚、義兄を毛嫌いしている。
父(笠智衆)はガンで余命半年、別荘でひとり暮らしだ。
姉妹はバーをやっているが、姉の元カレ(上原謙)がやってくる。
妹は元カレを応援するが、姉は・・・。
小津安二郎が東宝で撮った作品で、姉の台詞、「新しい、ってことは古くならないもののことなの」がすべて。
なかなか味のある良作
1950年、占領下の日本、戦後押し寄せる新しい波と古くから美徳とされた伝統がせめぎ合い、最終的にそれらがコンバインドされて話は完結します。
新しい波の象徴が高峰秀子さん、上原謙さん
伝統の象徴が田中絹代さん、山村聰さん
ってとこですか・・・
自分自身を滅することでしか妻を幸せにできない山村聰の生き方は、敗戦に打ちひしがれた日本人の心の痛みを体現しているのかなとも考えられ、妙に身につまされました。
ふたりで並んで道を歩く場面、斜め後ろからのカットをみると、きれいに足の運びがシンクロしてるんですよ。
いかにも小津安二郎らしくて、画面に釘付けになりました。
小さな波のある家庭映画、 当然だが姉妹の会話が多い
名作なのだろうが、
感動する場面や、楽しい場面が少ないので、少し退屈だった
白黒なのも退屈の一因かも
なお、驚く場面はあったが、嫌な場面はなかった
面白かった所は
1.満里子が、舌を出す所
2.満里子が、声色を使う所
3.満里子が、猫の首を掴み落とす所:27分頃
4.満里子が、亮助と口論する所:78分頃
高峰秀子も若い時は、活発な娘役をやったと判明
今まで、温順な役の映画しか見たことしかなかったので、新鮮な驚き
本当の名作を観た満足感の余韻にしばし呆けてしまった
素晴らしい傑作です
流れる疎水の如く淀みなく進行する筋書き
そこに田中絹代と高橋秀子の二人の名女優の頂上決戦
丁々発止と火花のでるような名演合戦が見ものです
何から何まで、何もかも本当に見事で溜め息がでます
大好きな作品です
三村が職を得たという話
あれは嘘なのか、実は前から来ていたが気乗りせず断っていたものなのか
いずれにしても節子を失いたくなかった気持ちは熱く伝わった
それが節子に取って幸せにはならないとわかっていてもなおそうせざるを得なかった
本作の配役はどれも見事につきるが、この三村役に山村聡を配したことが最大の成功だと思う
もし森雅之ならどうだろう
そんな死に方はしない、お話しが全て嘘になってしまったろう
田中絹代と高橋秀子の対比は、本人の持つ性質が役柄と渾然一体となっており本当に見事だった
節子の選んだ結論の余韻はまた深い
田代宏もまた深い傷を負った
彼はこれからも彼女以外の女性を愛せはしないとハッキリしてしまったのだ
けれども二人の姉妹の愛情はより深く固くなったのだ
父もまたそう長くはなく姉妹二人で生きていくのだ
本当の名作を観た満足感の余韻にしばし呆けてしまった
・ペロッと舌出した後のンン〜がかわいいぞ ・姉の言う「古い、新しい...
・ペロッと舌出した後のンン〜がかわいいぞ
・姉の言う「古い、新しい」の話は現代でも未来にも通じる説得力があった
・バーでの義兄と妹のシーンがパキパキしてていい
・この結末というか決断に私の気持ちの整理がつかない
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