血と砂(1965)のレビュー・感想・評価
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素晴らしい反戦映画です
独立愚連隊シリーズの最後の作品
それだけに第一作へのオマージュが沢山あります
佐藤充と三船敏郎の出演、見習士官の死の真相、慰安婦の登場、銃殺シーンなどなど
リメイクと言っても良いのかも知れません
軍楽隊少年兵をメインに据えたことによって、戦争の無意味さが明確に打ち出されており見事です
日本のいちばん長い日にこんな物語が戦場でもあった訳です
素晴らしい反戦映画です
埋もれているのが残念
従軍慰安婦という、タブーの要素が入っている。
これがあるから色々と問題があるのでしょう。
しかしこれほど、軽快で、「戦争」という重苦しい背景がありながらも
コメディチックに、明るく描いている映画は他にないのではないか。
これが表に堂々と出すことが出来る日を、心から待ちたいと思います。
お春さんは、この映画のヒロインの女性は非常に可愛らしく可憐で
かつお茶目で女性にも好かれるような素敵な女性で、
韓国の人も安心して楽しく観ることの出来る映画として、素敵な役割を果たしています。
こんなにも明るく戦争を描く
昔の映画は戦争の捉え方が違う。戦争は嫌だとか切ないとかそういう感情をひとまず抑えて、でも戦争の中にも楽しいときだってあるんだと描く。底抜けに明るい楽隊を観たとき、こういう作品があるのかと衝撃を受けた。バッドエンドではあるが、戦争の描き方が昨今の映画と全然違う。
三船敏郎、伊藤雄之助、佐藤允、仲代達矢
戦争映画でありつつ娯楽作とはどのようなものであるか?岡本喜八監督はその答えを教えてくれる。それも容赦のない形で。
軍楽隊がいきなりジャズ! 若い兵士が各楽器パートで呼ばれ、最前線でありながらとぼけたユーモアを交えつつ三船敏郎の曹長に鍛えられていく。しかし、そんな中でドライなタッチで人が壮絶に死んでいくのだ。
そしてラストの攻防戦の凄まじさ!!聖者の行進の響きと終わらない爆撃。身震いするほどの熱いメッセージ。いやーまいりました。こんな反戦映画は見たことなかった。
少年たちを生き延びさせようと思って女を抱かせてやるというのが根本に...
少年たちを生き延びさせようと思って女を抱かせてやるというのが根本にある。それを軍楽隊にしたのは映画オリジナルで、原作は普通の兵隊。ミュージカル志向でもあり、その時代の少年たちのジャズ生まれかジャズ育ちというバックグラウンドを考え、それに則った。
小杉が隊長を指して「職業軍人にしては出来が悪いっ」
葬儀屋「靖国神社へなんか行くなよっ、ほかの神様たちに虐められちゃうから」童貞を破ったクイーンを守る為の闘いはシロモンの軍楽隊をセミプロそして、プロの兵士に。
映像と音の使い方が素晴らしい。井戸に樽が落ちると同時に殴りを入れる。同じ似た動作を重ねてシーン展開など。リズムが良い。
笑いと涙の戦争ミュージカル
少年軍楽隊の高らかな演奏で始まる「聖者の行進」、ラストは同じ曲で一人ずつ死んでいくなか演奏される爆撃の嵐。
ひとりだけの従軍慰安婦のミューズと童貞たちのコミカルなやり取り。
中盤の火葬場(ヤキバ)でのエンタメたっぷりの行き詰まる攻防戦がハイライト。
最高傑作ではないか?
この映画が制作された同じ年、黒澤明の赤ひげが公開された。
赤ひげをみて脚本家の橋本が言った言葉は有名だ。
この赤ひげは脚本と違うぜ。
赤ひげで黒澤明は三船敏郎を使わなくなった。色々理由は囁かれているが本当の理由は・・・
黒澤明は才能が枯渇したのは三船ではなく自分だと気がついたのではないだろうか?
同じ年に公開されたこの作品を見て。
赤ひげの三船は半分終わっているが、この作品の三船は輝いている。
これは戦争体験者の監督が伝える本当の戦争映画だ。
あと、書いておきたいことがひとつ。
ペキンパーという結構有名な監督がいる。その監督の代表作がワイルドバンチ。ラストがそっくりなこの映画をペキンパーは見たんじゃないかと思う。
岡本喜八監督作の戦争ミュージカル映画。 大戦末期に中国戦線に派兵さ...
岡本喜八監督作の戦争ミュージカル映画。
大戦末期に中国戦線に派兵された音大出たての少年兵とベテラン曹長のお話。
オープニングいきなりの愉快な「聖者の行進」演奏シーン。
従軍慰安婦を交えたコメディだったのが、後半は壮絶な戦闘シーンが続く。
そして悲しすぎる「聖者の行進」の演奏で作品は終わる。
「三船敏郎」「伊藤雄之助」「佐藤允」「天本英世」と若い新兵たちの素晴らしい演技。
なんといっても従軍慰安婦役の「団令子」が可愛かったなぁ。
笑いと涙の反戦映画でした。
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