すっぽんぽん

劇場公開日:

解説

何をやっても不器用な男の空回り人生と、それに携わる人々の姿を描く。脚本・監督は新人の原田聡明。共同脚本は「新未亡人下宿・地上げ屋エレジー」の大澤治。撮影は「喜劇 特出しヒモ天国」の古谷伸がそれぞれ担当。(16ミリ)

1990年製作/77分/日本
劇場公開日:1990年11月2日

ストーリー

岩清水鶴之助・40歳。地主の息子だったが、今ではその財産もなくし、山菜取りや畑の野菜泥棒などをしながら、浮浪者のようにテント生活を送っていた。借金取りのヤクザ・テツに追われる毎日、あげくの果てに妻・春恵にも逃げられてしまう。そんな不器用な人生を送っている鶴之助の前に中曽根という作家志望の青年が現われる。中曽根は鶴之助を自分の作品のモデルにしようと彼につきまとい、鶴之助も最初は迷惑がっていたものの、いつしか中曽根に友情を感じるようになっていた。しかし、中曽根には、父親が鶴之助の保証人になったためにその巻き添えを食い、財産を失ったという過去があった。そんなある夜、山林を歩いていた鶴之助は、そこで不審な行動をしている男女の姿を見る。女はまだ少女の面影を残していた。男に見つかってしまい逃げ出す鶴之助。男は鶴之助の後輩・山路だった。今や落ちぶれしまった鶴之助と違い、何かギラギラしたものを感じさせる山路とその女・美苗の秘密を知った鶴之助は、そんな彼らにある種の恐さを感じると共に闘志のようなものがわいていた。翌朝、中曽根と共にその山林へ足を運んだ鶴之助は、去っていった山路の意思を受け継ぐかのように、彼がうめた三千万を堀り出し、借金の返済にあてるがその金はニセ札だった。それによってテツからリンチを受けた鶴之助は、ボロボロになりながらもそんな空回り人生を続けるのだった。

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