劇場公開日 1983年5月21日

細雪のレビュー・感想・評価

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3.0純文学だが退屈ではない

2024年1月1日
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プライア

5.0市川崑監督の魔法の様な映像に驚愕

2023年2月23日
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鑑賞方法:映画館
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Kazu Ann

4.0吉永小百合。

2022年10月16日
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鑑賞方法:映画館

谷崎の原作は考えずに観ました。だって、そんなぱっと読んでわかるようなもの書くわけないんだから。そういうのは研究者にお任せして、普通に映画は映画として楽しみました。
着物やら建物やらロケやらの豪華さや演出に掛ける熱量や時間など、色々見所は多いと思いますが、自分の一番の収穫は小百合様の演技でした。ファンには引っ叩かれそうですが、彼女の演技の魅力が今まで全く理解できずにいました。でもこの役は完璧ですね。他の俳優は全部すごいですが、彼女の物腰や(着物で育った人特有の物腰があります。彼女の方が岸恵子より所作が美しいなんて本当に驚きました)、考えの読めないゆるふわキャラを演じつつ、ここぞというときにがっと前へ出て、役柄を小出しに見せる様なんて中々です。「はっきりしない=ぼやけている」のはここで出てくる船橋のカルチャーそのものでもありますね。実は彼女は一番船場を象徴するキャラのように感じますし、そこに掛ける監督の演出にも拘りが一番感じられる気がします。
この映画は監督の悲願だったそうですね。例え市川崑好きでも正直これは好みが別れそうですが、観て損のある映画ではないと思いました。それだけの力作です。

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胃袋

2.0谷崎作品は苦手

2022年9月13日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy

3.5キャスティングが良い

2021年3月6日
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小説読了後、すぐに鑑賞。私の中では配役の8割に違和感がない。それだけでも大したものだと思うが、伊丹十三と石坂浩二が逆の配役だったら別の面白さがあった気もする。佐久間良子の旦那にしては石坂浩二の線が細いのだ。原作の貞之助は包容力のある大人の男性で、雪子の嫁入りに涙するなどという演出は蛇足だと思った。

もうひとつ残念なのは雪子の結婚相手になるであろう男性…なぜ江本孟紀なのか…_| ̄|○ 他にも居るだろ!と思う。

長編小説をこの尺に収めるのは大変だったと思うが、原作の世界は概ね守られているように思う。岸恵子が凛としていて美しい。欲を言えば妙子の舞う姿も見たかった。

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lll

3.5滅びの美学

2020年6月2日
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鑑賞方法:VOD

知的

谷崎作品は『痴人の愛』しか読んだことがないのですが、さすが耽美主義と言われるだけあり、映画も美しかったので、原作も読みたくなりました。私は、生まれも育ちも関東なので、船場文化や家のあった場所の特別性が良く分からず、残念でした。関西の方の方がより楽しめそうですね。

フィルムの中の紅葉や着物、提灯の色彩が日本の文化の美しさを象徴しているようでした。現代の邦画を鑑賞してもこんな事を思うことはほぼないので、それだけ色々な日本文化が消滅してしまったのでしょう。

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ミカ

4.5これからも二度とこのようなものは作れない、それほどの作品です

2019年9月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

よくぞ市川崑監督が映画化して下さったものです
これこそ東宝50周年記念映画として製作する意義があったと言えます

四姉妹の女優陣の美貌、立ち振舞い
婿養子二人の男性陣の名演
この時代の真の豊かさを示す着物の圧倒的な絢爛豪華さ
着物に目を奪われてしまいますがそれだけでなく二人の婿養子が着るスーツの見事さ、当時のシルエット、ディテール、生地の風合いの再現度合いにも驚嘆しました
当時の京都、上本町、芦屋、箕面を再現する美術
上本町の本家のお屋敷は内部だけでなく一瞬映る外観と表の通りも含めてこれだ、そのものだ、と特に感激しました
そして俳優陣の話す正しい本当の大阪弁の船場言葉の正確さ

どれもこれもこんな物凄いレベルで作ることは現代では残念ながら到底不可能だと思います
これからも二度とこのようなものは作れない、それほどの作品です
最早失われてしまったものだとはっきりわかります
1983年、辛うじて間に合ったのだと思うのです

岸惠子 51歳
佐久間良子 44歳
吉永小百合 38歳
古手川祐子 24歳

今なら岸惠子が断トツに美しいということが分かります
若い時であればこの4人全員のそれぞれの違う美しさを理解出来なかったと思います
特に岸惠子と佐久間良子の大人の女性の美しさと可愛らしさの魅力を、理解どころか正しく評価することなど到底無理だったはずだからです
この二人の美しさが分からないと、二人の婿養子の伊丹十三と石坂浩二の名演もまた理解しきれなかったと思うのです
吉永小百合と古手川祐子の若い美貌にしか目が行かず単に綺麗なおばさんだなあというぐらいだったと思います

四姉妹の女優全員が関東の人です
船場言葉の台詞は完ぺきなもので、イントネーションも方言指導の力で違和感のないものです
ですが関西出身の伊丹十三の台詞を聴くとやはりなんとなく差はあります
でもそれは些細なことです
21世紀の現代の大阪ではほぼ死滅してしまった言葉なのですから
こうして映画としてあの懐かしく美しい響きが残されているだけでもありがたいことです

陽が射すとすぐにすぐに消えてしまう細雪とは直接的にラストシーンに降る雪のことではなくて、本作で監督が表現して下さったこのような世界のことなのです

音楽だけは時代なのでしょうか、シンセサイザーの安い音で残念です

冒頭、嵐山の料理屋で長女の鶴子が少し遅れて到着した時に、新京阪がえらい遅れてなあと言います
新京阪とは今の阪急京都線のことです
中盤、雪子の見合いで神戸の高級中華料理店に向かう電車も阪急です

芦屋の雰囲気もふくめて全編に21世紀の現代にまで連綿と続く阪急文化の薫りが満ちています

正に阪急グループの東宝50周年記念に相応しい作品だと思います

芦屋の浜寄り、芦屋市立美術館の隣に谷崎潤一郎記念館があります
本作に感銘をお受けになられたなら、是非お立ち寄りください

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あき240

5.0ハッキリ言ってしまおう…「細雪」の良さは関西人にしか判らない。

2019年5月18日
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鑑賞方法:DVD/BD、映画館

(原作既読)①最初は四姉妹を演じる女優陣がすべて関西人ではないため船場言葉がどうしても違和感があって其処だけが不満だったが、何度か観ているうちに其れが却って関西(正確に言うと阪神間)の映画であるというのを強調しているように感じられるようになった。それに市川昆監督作に顕著なように各キャラクターの心情は一瞬の表情のアップが台詞よりも雄弁に語るから台詞も其れほど耳障りなこともない。ラストの鶴子と幸子の台詞“あの人、粘らはったなぁ”“粘らはった。粘らはった。”の台詞は大阪言葉でないとあの味は出ん。②この映画のことを話し出すと止まらないので、ここまでにしておきます。

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もーさん

4.0今は幻の 船場のお嬢様達

2018年9月11日
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戦前で消えた、大阪船場の商家のお嬢様達の物語
(戦後 船場は商人の町から、普通の都市になってしまった)

若い頃は 上二人の姉妹の生き方が 当たり前だと考えていたが、歳月がたつにつれ 三女と四女のほうに共感できる
蒔岡家のプライドと培われた意識や価値観ゆえ、
なかなか結婚できない三女
(次女の家で居候になるしかない…苦しさと開き直り、でも段々、年は取る…!)
人形作家として 自立したい気持ちが 空回りする、四女
特に、四女は 単なる我儘娘に見られがちだが 公平な眼を持ち、その芸術家肌なところと自立心に好感が持てる(ちょっと、意地悪なところも…)

船場の言葉は、京都より公家言葉に近かったそうだ
(武家の影響を 受けていないから)
その たおやかさを一番表現しているのは、
次女役の佐久間良子だと思う
谷崎は この消えゆく言葉や文化を、惜しんだのだろう

美しい女優達、着物、桜… 堪能したが
市川 昆は音楽の好みが 悪いような気がする
(「おはん」もそう…)

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jarinkochie

2.0着物、紅葉、日本家屋↔金、愚痴、悪口

2018年6月13日
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鑑賞方法:DVD/BD

寝られる

かつては栄華を誇っていた大阪船場の旧家が時代とともに没落していく4姉妹の物語。
おっとり長女岸恵子と仕切り屋次女佐久間良子の圧倒的な存在感。
カマトト三女吉永小百合の浮きっぷり。
次女の婿の石坂浩二が俯瞰で蒔岡家を見る。
奔放な四女古手川裕子の豊満な入浴シーン。
ラストの店員(白石加代子)がいった「旦那さん、まだ若いんだから。」に石坂が雪降る外を見つめ涙して幕。
原作呼んで人物像や背景を知っていると細かな機微がより楽しめると思う。

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mimiccu

3.5豪華女優陣の競演。それぞれお見事! 本家と分家を仕切る、やや意地悪...

2016年7月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

豪華女優陣の競演。それぞれお見事!
本家と分家を仕切る、やや意地悪な長女と次女。激情を隠せぬ末娘。
そしてなんといっても三女吉永小百合様の美しさ。こんな人が見合いを繰り返すか?これがこの話最大の矛盾。江本?はあ?ざまみろセリフもらえてない(笑)
誠実を装い、実は好色な石坂浩二。これは完全に地ですね(笑)作者谷崎に相通ず。
風景と女優陣の映像美ゆえなのか、話はあって無いようなものなのに、不思議と見入ってしまいます。着物会社の宣伝が多分に入ってますが、それもこの映画の映像美に貢献しています。
日本が戦争へと突き進んでいた直前の昭和を、別角度から知ることができるという意味でも貴重な映画です。

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はむひろみ

3.0原作の話がそもそも趣味に合わないのかな

2015年4月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

総合55点 ( ストーリー:55点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:50点 )

 谷崎潤一郎の傑作との誉高い原作は残念ながら未読。映画のほうは、80年代制作らしい演出や演技が趣味に合わないなのか、それとも傑作なはずの話が趣味に合わないのか、自分ははまれなかった。もう落ちぶれながらも昔ながらの生活が忘れられずお高くとまったままの家族を見守るのが面倒だったのかな。豪華出演者たちだが、比較的好き勝手やっている姉妹と、やや肩身の狭そうな婿養子たちの役柄にも魅力をたいして感じなかった。電子音の音楽も雰囲気に合っていない。
 物語も、どんな男と付き合うか、見合いをどうするか、転勤をどうするかなんてたいしたことだとも思えなかったし、たいしたことがあるような見せ方をしていない。恋愛はそれで十分に一つの作品になる普遍の主題だが、この作品では家族が片付けるべき問題の一つ程度の扱いしかされていない。最後はいろんな問題もさっぱりと片付いていくのだが、長い作品がその時までにはそれ以上に長く感じた。これで将来に原作を読もうかという気がかなり失せた。

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Cape God

3.0楽しめる要素満載の文芸大作!

2014年12月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

知的

 没落期の大阪の商家の4姉妹を通して、移り行く時代の中でのそれぞれの女性の生き方を描く。映像がゴージャス。四女優がゴージャス。今の映画界ではこのような映画を作ることは不可能だろう。
 昭和の上流階級の家庭生活、家屋にかんする考証など、市川崑以降、スクリーンに表現できる人がいないのではないか。
 古手川祐子が末の娘を演じるのだが、ただ若いだけでなく、錚々たる役者たちの中でも、ひときわその美貌と熱演が目立つ。彼女の入浴シーンのサービスもあって、さぞ当時の男の観客を痺れさせたことだろう。
 谷崎潤一郎の原作の重厚さ、豪華な和装に身を固めた女優たちの競艶、美しい京都の風景、お色気サービス。これだけいろいろな要素で、様々な観客を満足させようとする意図が、映画として全く破たんの影を見せず、どっしりとした風格を湛えている。
 惜しむらくは音楽かな。当時の流行や実験的試みだったのかもしれないが、シンセサイザーの音が軽かった。やはりここはオケで音を作って欲しかった。

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佐分 利信