極道の妻たち

劇場公開日:1986年11月15日

解説

暴力抗争下で、様々な境遇を生きる極道の妻たちの姿を描く。『週刊文春』に連載された家田荘子原作の同名ルポタージュの映画化で、脚本は「春の鐘」の高田宏治、監督は「十手舞」の五社英雄、撮影は同作の森田富士郎がそれぞれ担当。

1986年製作/120分/日本
配給:東映
劇場公開日:1986年11月15日

あらすじ

粟津環は堂本組若頭補佐で粟津組組長の妻である。気丈な彼女は、服役中の夫・等に変わり組を守っていた。ある日、環は貧しい工場を経営する父・保造と暮らす妹・真琴に縁談を持ちかけた。そんな時、堂本組総長が急死した。関西を拠点に全国的に勢力を持つ堂本組は、傘下組員二万人の暴力団で、粟津組はその直系である。堂本組の跡目相続人は、故人の遺言によって若頭の柿沼に決定した。これを不満とする舎弟頭の蔵川は、同補佐の小磯らを引き連れて朋竜会を結成した。環はあくまで堂本に忠誠を尽し、小磯の誘いを拒否する。小磯は傘下系列の名古屋の杉田組組長の杉田に柿沼暗殺の指揮を命じた。一方、アルバイト先のスナックで杉田にしつこく言い寄られていた真琴は、バカンスを楽しむグァム島で偶然、彼と再会。コテージで力ずくで抱かれた。杉田は兄弟分の川瀬組組長・川瀬と共に柿沼暗殺のための拳銃の試射に来ていたのだ。帰国した真琴は、環に縁談を断りやくざと関係したことを告げた。ある日、柿沼が射殺された。すぐに、愛知県常滑市の暴力団員・川瀬が自首して出た。TVでそれを知った真琴は常滑へ向かう。杉田と真琴は、子分に囲まれながら結婚式を挙げる。だが、杉田は突然踏み込んで来た刑事たちに逮捕された。真琴のもとに、杉田が柿沼を射止めた拳銃が残された。ある夜、粟津組系組長の妻たちが集まる“懲役やもめの会”で、環が小磯系組員の襲撃を受けた。このまま抗争を続ければ、双方の組織が壊滅しかねないと案じた堂本の妻、絹江は関東から手打ちの仲介を頼むと環に告げる。環は小磯の妻、泰子の手を借りて小磯と会い、戦争終結を話し合った。一方、保釈となった杉田は、朋竜会解散の真偽を確めに大阪へ。家族と海水浴を楽しむ小磯の前で、自分の腹をドスで突き刺した。服役中の粟津が堂本の三代目に決定。大阪に戻った真琴は父親の死を知る。真琴は環のもとで暮らし始めたが、ある朝、見張りの清野伴司と出かけた際、杉田の子分、花田太市と再会した。杉田のもとへ行くという真琴を環は止める。激しい喧嘩の後、「今日限り、わてらは姉妹でない」と環は妹を送りだした。杉田と真琴の久方ぶりの逢瀬の際中、伴司が飛び込んで来て杉田を刺殺した。そして粟津の保釈の日、環や組員が見守るなか、粟津は太市によって殺された。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第10回 日本アカデミー賞(1987年)

ノミネート

主演女優賞 岩下志麻
助演男優賞 世良公則
助演女優賞 かたせ梨乃
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(C)東映

映画レビュー

4.5 極妻の真髄は「岩下志麻の着物姿」にある。

2025年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

斬新

あの上品でおっとりしている岩下志麻さんが
「あほんだら、撃てるもんなら撃ってみい!」って言うんですよ。

岩下志麻さんの着物の知識は専門家以上だし、美しい着物姿に
圧倒されます。藤間紫も胴に入っていてカッコいいです。

本当に、極妻は、岩下志麻さんの着物姿や着物を観る映画だと言っても
過言ではないと思いますが、
そのお着物姿で「われ」とか「われや」って言うんですよ。

痺れますやん。

脇を固める男性陣もなかなか良いのですが、
どうしてもわからないのが真琴(かたせ梨乃)さん。
グァムで偶然、杉田(世良公則)に会うのは出来過ぎた話しになるし、
しかも男のコテージに1人で行ったら、ああいう事になるのは
誰にもわかることで、、、、。あかんやないの。

結局、極道に惚れる血が、姉妹に流れていたわけですね。
敵対していたことが運の尽きで悲劇を呼びます。

ミュージシャンの世良さんは頑張っていたと思います。
五社監督の仰せのとおりに演じたのはお見事ですが、
何故、彼が選ばれたのかがイマイチわかりません。
小松政夫もなぜあの役??

とにかく最後は佐藤慶が締めてくれました。(その後、撃たれるけど)
出演時間は僅か2分チョイでしたが貫禄の登場で嬉しかったです!!

キャッチコピーは「愛した男が極道だった」となっていますが、
愛した男が極道だったら、つきあうのはやめて、
普通の男を選ぶ道もあるのに、ソレをしないのは、
その女にも極道の血や親和性があるってことなのでしょう。

普通に言えば、似たもの同士、つまり
似た匂いを持つもの同士が引き合い、愛し合い、
その匂いの発信源が「極道世界」だったというわけです。

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belle

3.0 姉妹の宿業

2025年7月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

興奮

スナックと旅先での偶然の出会いが姉妹の運命を分ける。悲しい女の壮絶な宿命を演じた2人の女優が見事。
男達に主役級の役者を置かず、男を完全に脇にしたのが五社監督らしくでよかったです。

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共感した! 2件)
映爺

3.5 【岩下志麻さんの圧倒的な美しさと胆の据わった鋭い切れ長の眼と、かたせ梨乃さんの身体を張った演技に魅入られる作品。男なんてヤクザと言って威張っていても、所詮は女性の僕なんです。】

2024年11月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

難しい

ー 五社英雄監督作品は、年代的に先日「鬼龍院花子の生涯」を初めて見たが、凄かった。
 で、今作。前作でもそういうシーンはあったが、当時は若手女優さんを脱がせるシーンが多かったんだね。今作でも、かたせ梨乃さん演じる真琴が世良公則演じる極道杉田に、手籠めにされるシーンがあるが、真琴はそれで杉田に惹かれて行くように描かれる。
  本当かな、とちょっと思った好きでないシーンだったな。

  けれども、今作の大ヒットで、このシリーズが延々と作られたのだから、これは評価に値するであろう。

  今作で言えば、レビュータイトルにも書いた、岩下志麻さんの圧倒的な美しさと胆の据わった眼と、かたせ梨乃さんの身体を張った演技に尽きると思う。
  成田三樹夫(髪と額の生え目が、何となく怖い。)演じる小磯なんか、子煩悩で臆病なヤクザだし、完全に岩下志麻さん演じる環に、飲まれているもんな。

  環の旦那で、組の総長(佐藤慶)なども、ビシッと白いスーツで出所するも、あっと言う間に撃たれるし、極道杉田も真琴豊満な胸にを置いたまま、アッサリ刺殺されるしね。

<男なんて、所詮は女性の僕なんだよな、と私は思ったな。今シリーズの熱烈なファンの方々、怒っちゃ嫌よ!>

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NOBU

3.0 タイトルなし(ネタバレ)

2022年11月27日
スマートフォンから投稿
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まゆう