キャロル(1974)

劇場公開日:

解説

ロックンロール・グルーブ〈キャロル〉の四人の若者たちの演奏と、彼らの喜びと悩みを描いたドキュメンタリー。脚本は小野耕世、監督は新人の龍村仁、撮影は仙元誠三がそれぞれ担当。

1974年製作/111分/日本
配給:その他
劇場公開日:1974年6月22日

ストーリー

一九七三年一月、第一回ロックンロール・カーニバルに突如登場したロックンロール・グルーブ〈キャロル〉。真っ黒なジャンパー、リーゼントスタイルに油をべっとり髪になでつけた四人の若者は、英語と日本語のまざり合ったオリジナルのロックンロールを歌いまくった。「まるでプレスリーみたい」と山口小夜子は思った。確かに少し前までトラックの運転手や沖仲仕をやっていて川崎からやって来たこの若者たちは、一九五〇年代に田舎のトラック運転手から一躍名を挙げた、あのエルヴィス・プレスリーに似ていた。それから一年たらずのうちにキャロルは、シングル盤レコード八枚と、LP二枚を出すまでになっていた。だがその頃、リーダーの矢沢永吉(エーちゃん)に次いで重要な存在であったジョニーが行方不明になった。キャロルにとっては、グルーブ結成以来最初で最大の危機を迎えた。リードギターのうっちゃん(内海利勝)、ドラムのユウ(ユウ岡崎)そしてエーちゃんの三人は必死になってジョニーを探しまわったが、見つからない。「純金のキャデラックに乗って、百メートル先の郵便局まで切手一枚買いに行くのが、おれの夢さ」というのが口ぐせのエーちゃんにとって、その夢が現実となりつつある今、キャロルを解散することはできない。彼は新しいジョニーを探し出し、第二のジョニーをジョニー・リーと名づけた。一九七四年の初め、エーちゃんはファッション・デザイナーのやまもと寛斎と会った。寛斎は三月二十八日に、パリでショウを行なうことになっているが、そのショウにキャロルの参加を呼びかけたのだった。こうして、新しいメンバーを迎えたキャロルは、パリ公演をめざして猛練習を始めた。最大の危機の中から思いがけない飛躍への道を見つけたキャロルは、パリへ向って出発した。ショウに参加するモデルたちの中には、山口小夜子の姿もあった。映画は、パリへ、そしてロンドンへと、キャロルの四人を追いつづける。そして、キャロルのサウンドかパリの大ホールに響き渡った時、第一のジョニーには、何が起ったろうか。さらに、ロンドン。ビートルズにあこがれるキャロルは、四人が歩いたアビィ・ロードを歩きまわる……。

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