学校(1993)

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督が、東京・下町の夜間中学校を舞台に描いた人間ドラマ。ベテラン教師・黒井が勤める下町の夜間中学校には、昼間は清掃会社で働くカズ、元不登校児のえり子、焼肉店を営む在日韓国人のオモニら、年齢も境遇も様々な生徒たちが通っている。卒業が近づいたある日、卒業記念文集のための作文を書く生徒たちの横顔を見ながら、黒井は彼らとの思い出を振り返る。やがて彼らのもとに、病気のため田舎に帰っていたクラスメイト、イノさんが亡くなったという知らせが届く。主人公の教師・黒井を西田敏行が演じ、田中邦衛、萩原聖人、裕木奈江らが個性豊かな生徒たちをそれぞれ好演。

1993年製作/128分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1993年11月6日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第17回 日本アカデミー賞(1994年)

受賞

作品賞  
監督賞 山田洋次
脚本賞 山田洋次 朝間義隆
主演男優賞 西田敏行
助演男優賞 田中邦衛

ノミネート

助演女優賞 竹下景子
助演女優賞 裕木奈江
音楽賞 冨田勲
新人俳優賞 萩原聖人
新人俳優賞 裕木奈江
話題賞 作品部門/俳優部門 萩原聖人
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映画レビュー

4.5夜間中学のクロちゃん先生と生徒たち

2023年12月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

知的

夜間中学に通う人々
忘れかけていた温もりがここにあった

同級生の病死で考える
幸福って何だろう

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ほんのり

4.0多様性を認めるという差別

2023年5月30日
スマートフォンから投稿

泣ける

笑える

知的

やはりイノさん。

2023年でもイノさんのような愛嬌のある老人?はチラホラおり、生まれつきの持ち前の性質に悩んだり苦しみながらも、そのままの状態で生きている人。
そういう人を見ると少し滑稽で笑ってしまったり、分からず屋な所に頭が来たり、何故か手助けしたくなったりする。
だが、イノさんのような人は実は特殊な人間ではなく私を含めた大多数の人間はほとんどイノさんと変わらない。
むしろ計算高いだけで全うな人間として生きているイノさんのような存在より安い人間かも知れないと
この映画を見ると思う。

人より少し劣っていたり、優れていたりしながら生活している私たちは
至るところで自分より低い存在を探してしまう癖を持つが、そんな下らないことに人生を使うより
不得意は多くとも大好きな馬のことだけで一喜一憂、夢中になれるストレートな感性を持つことの方が尊いと思える。

現代で言われる多様性を認めようと言う口当たりのよい言葉は非常に欺瞞に満ちていると感じる、それは単純に相手とジャンル別けをし、カテゴリーとコミュニティをさらに強固にし断絶を行ってるに過ぎず
表面上は認めているポーズは取るが内心では誰も少数派と仲良くしようなどとは思っていない。

この映画では差別する側が実は差別の対象となり得る人間より劣っている部分があったり、相手を下に扱えるほどの自分と変わりはないんだと思える。

イノさんもいらないお節介には激怒していたが
多様性とはマニュアル的にジャンルで認めるものではなく、相手と自分として捉えなければ大きなお節介と勘違いで終わってしまう。

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たまねぎ なきお

4.0普遍のテーマ 人が助け合うということ

2022年4月28日
iPhoneアプリから投稿

数日前にたまたまWOWOWで観たこの『学校』
とてもいい映画でしたーーーー!
久々にかなり泣いた。

1993年の映画なので西田敏行も若い。
そしてとにかくこの西田敏行の先生役が、人間味あったかくて、緩やかで、まっすぐで、すごくいい!

夜間中学の話だから、生徒たちはみんな訳ありで、昼間は仕事をし、年齢もバラバラで、境遇も様々、個性豊か。色んな事情を抱えながらここに通ってる。

そんな登場人物たちの人生を個別に丁寧に描写しつつ、縁あってここで共に学ぶという事の意味を、優しい目線で見つめる山田洋次監督。
社会の弱者と呼ばれる人たちを描かせたら天下一品ですよね。

中でも、田中邦衛演じる「いのさん」の話が涙腺崩壊。これ、間違いなく助演男優賞確実でしょう。
もはや『いのさん』本人にしか見えない。
東北生まれのいのさんが生きてきた半生が凄まじく、壮絶な生い立ちを経てここにたどり着き、読み書きを覚えて車の免許を取るんだーーと夢見てひらがなや算数を一から覚えていく姿と、不器用な人柄と、淡い恋と…
(実在の男性をモデルにしているそうです)

観終わると、今の自分がいかに恵まれているか、としみじみ思う。
そして、社会にはこんな場所が必要だとも思う。
人が人間らしく生きる権利と、存在意義。
みんな、幸せになるために生まれてきたのだから…

たくさん泣いた後はあたたかい気持ちになれる、素晴らしい映画。

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共感した! 3件)
Mariko

この映画で涙なんか流しては駄目だ 義務教育とは、社会や親がその個人に教育を受けさせる義務があるという事。個人が教育受ける義務があるということではない。観客はそこを間違える。

2022年3月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 1件)
共感した! 1件)
マサシ
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