劇場公開日 2001年3月17日

「これこそ神作品、サイコスリラーの最高峰」羊たちの沈黙 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これこそ神作品、サイコスリラーの最高峰

2018年3月31日
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これこそ神作品
異常精神者を取り上げたサイコスリラーの最高峰でしょう
本作品を下敷きにした作品は映画やテレビドラマで数知れず、世界中で作られています
今日もどこかで類似作品が上映されたり、放送されているでしょう

原作の小説が画期的に素晴らしい出来であることがもちろんその理由ですが、本作は映画としての独自の価値を持っています
映像作品としての価値が原作の魅力をを数十倍に増幅させています

ハンニバル役のアンソニー・ホプキンスだけを絶賛する声が多いのですが、本作を本当に成功させたのは紛れもなくジョディ・フォスターの力だと思います

撮影時彼女は29才、それが大学卒業したての研修生にキチンと見える
彼女は身長161センチ
日本人の女性になぞらえた背の高さは150センチ位のイメージになると思います
小柄で華奢で少女のような面影が残る
正義感と意思が強く、知性の高い女性
そのものです
カメラもその背の低さ小柄さをこれでもかと描写します
レクターにまで「栄養が良くて背が伸びた」と皮肉を言わせます

彼女が配役のはまり具合
そして恐るべき演技を示したからこそ、
本作が神作品になった理由のひとつでしょう

アンソニー・ホプキンスの怪演は彼女の演技との相乗作用によって爆発的な効果を示したのだと思います

彼の不気味さ、観たことのない恐ろしさは、確かに最初の立ち姿から立ち上っています

そこから彼女のパーソナリティーに迫るやり取りの中で、本当の恐ろしさを感じとることになります
ジョディ・フォスター演ずる主人公のパーソナリティーが裸にされていくときの恐ろしさ
それがあるからこそ本当のハンニバルの恐ろしさが爆発するのです

その怖さを更に増幅する衣装と美術の仕事もまた見事でした

そして暗闇の中で迫る猟奇殺人犯の視線と手の先のジョディ・フォスターの無防備さを際立たせるシーンの見事なこと

劇伴も主人公の心理に合わせた一人称的な作りで印象に残らないようで深く映像と絡み合い観客の私達の心理状況を彼女に同期させる見事な仕事です

アカデミー賞を何部門も獲得してしまうのも当然の何から何まで素晴らしい作品です
絶対に観るべき映画と断言します

あき240
えーじさんのコメント
2024年5月3日

これをこえる作品が未だに無い事が残念でなりません…。「セブン」ぐらいでしょうか…⁈

えーじ