劇場公開日 1982年11月

「若き日のスターが大挙出演! ショーン・ペンのボンクラっぷりは必見」初体験 リッジモント・ハイ めぐ吉さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5若き日のスターが大挙出演! ショーン・ペンのボンクラっぷりは必見

2010年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

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楽しい

萌える

当時は、ちょっと思わせぶりなタイトルや
日本でもアイドル的に大人気だったフィービー・ケイツが
ヌードになっている!ということから、
“ちょいエッチ系コメディ”という見方を
されていたように思うのですが、
(最近でいうと『アメリカン・パイ』的な感じ?)
改めて見直してみると、
これはいろいろな意味でものすごーーく良く出来ていて、
ある意味、ジョン・ヒューズ作品以上に
その後の学園映画を作った画期的な作品なのだなあ、、、と感じました。

まず第一のポイントは、新人発掘、スターの登竜門としての
学園映画を確立した、ということ。

そもそも、作り手の二人、クロウもヘッカリングもまだ20代。

クロウは、『あの頃ペニー・レインと』で描いているように、
10代の頃からローリングストーン誌のライターをしていましたが、
この『リッジモント・ハイ』も、
20代を過ぎた彼が童顔を生かして高校に潜入取材した
ベストセラードキュメンタリーがモトになっています。
(ちなみに、この“潜入取材”というネタは、後に、
ドリュー・バリモア主演の『25年目のキス』で
オマージュ?的に使われてますね)

この『リッジモント・ハイ』で長編デビューを飾った
エイミー・ヘッカリングはその後、
90年代には『クルーレス』、
00年代には『恋は負けない』と、
その時代を切り取る青春映画を作っています。

しかし、やはり『リッジモント・ハイ』を
見直して目を引くのはキャストの豪華さ

前述のように、当時はフィービー・ケイツばかりが
注目されていましたが、
今見て一番の“主役”なのは、
ぼんくらサーファー小僧スピコリ役のショーン・ペンです。

あのだら~~っとしたしゃべり方、すっとぼけた雰囲気…
もう“素”でやってるとしか思えないほどのナチュラルさ^^;;

でもペン自身は、この役がどれだけ重要かを理解していて、
オーディションのとき、監督が他の役も試しに演じるように言っても断ったのだとか…
ペンも、当時からやっぱり天才です、、、

しかも、このスラッカーのしゃべり方やファッションスタイルは
ウェインズワールド等にもめんめんと受け継がれ、
ある意味、今じゃいちばんフツーかもしれません。

そして、このスピコリがいつもつるんでいるボンクラ仲間、
一人はエリック・ストルツだとすぐにわかるのですが、もう一人…

「ものすごーーーーく可愛い顔のカレはだれ???」と思ったら、
なんと、『ER』のグリーン先生、アンソニー・エドワーズでした。
ひーーーっっっ!!髪があるからわかんないよーーーーっっっ

ニコラス・ケイジがちょい役で出ているのも有名ですねー。
(ほんとは、フィービーの兄役に抜擢したかったらしいですが、
若すぎたらしいです、、、)

さらに、最後のパーティに先生の彼女役で
ちょっとだけ出てくるラナ・クラークソンは、
あのフィル・スペクターに銃殺されてしまった女優なのだとか、、、

いろいろな意味でドラマチックな出演者たちですが、
素晴らしい作品は絆も強くするもの。
02年には雑誌上で“同窓会”企画が組まれています。

中でも主演の二人、フィービー・ケイツとジェニファー・ジェイソン・リーは
とても仲がよく、
リーの夫、ノア・バームバックが監督した『イカとクジラ』には
ケイツの息子が出演したりしています(このコが最高!!)。

2本見比べて、感慨に浸るのもまたよしです。

めぐ吉