「選択ミス続きで 破滅に向かう二人」ニコライとアレクサンドラ jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5選択ミス続きで 破滅に向かう二人

2019年3月5日
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英米合作で ロマノフ王朝の終焉を 冷静に描いている
全く人民を理解出来なかった ニコライとその妻の、凡庸さと人間らしさが 良くわかる

二人の選択ミスにより ロマノフ家が破滅へ向かう過程が、理解できる
日露戦争による財政難、人民の不満、息子の病気とラスプーチンの登場…
ことごとく、外れを引いている
終わるべくして、終わった… という感じはする

ケレンスキー、レーニン、スターリン、トロツキーなども登場

賢明だったストルイピン首相(ユダヤ人に暗殺される)と、ずーっと幸福になれなかった人民に 同情してしまう

宮殿に もう、エレベーターがあったのには 驚き!

ロシアに 格別、思い入れがある訳でもないような 英米のスタッフが 冷徹な観察眼で描く「統治能力のない駄目夫婦(扱い) 」のせいか、退位まで 心はあまり 揺さぶられない

が、それでも退位してからの苦悩と恐怖に 初めて人間味を感じる
坂を転げ落ちるように 止まらないロシアの混乱と レーニンの台頭
やっぱり、罪深い…
顧みなかった人民に 残酷に殺害されるのも、致し方無いか… と、思わされる
寛容の精神と 人民への理解がもう少しあれば、こんなことには…

わかり易くて、歴史理解には 役立つ映画
マイケル・ジェイストン、何やかやで 最後まで この長い映画を引っ張って行きました

jarinkochie