劇場公開日 1963年4月27日

「ベティとジョーン」何がジェーンに起ったか? Kjさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ベティとジョーン

2018年11月23日
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映画鑑賞後に、最後のシーンに疑問が湧く。果たして最後の告白は狂った妹ジェーンの妄想で、連れ出した姉ブランチの遺骸と会話していたのではないかと。調べてみると、そのような設定ではなさそうだが、2大女優の生き様や場外戦も含めて色々と情報が入ってきて、映画のストーリー以上の構図でこの映画を捉えてしまう。
ジェーンの行動やベティが取り組む演技は方向性が明確で、ブランチ=ジョーンの方が謎めいている。解釈の取り方が多くて、後に引きずってしまう。なぜブランチはジェーンの世話を見続けたのか?妹に追い込まれるだけの被害者のように、ジョーンは演じているが、それは何故か?冒頭の少女の語りと最後の告白があるならば、もう少しブランチに邪さを感じさせるものがあっても良さそうだが。ジョーンはベティの狂気の演技を引き立てているが、その一方であるべきブランチの悪意を淑女というオブラートに隠して、逆にブランチというキャラに底なしの不気味さを感じてしまう。
序盤の自分の名画に酔いしれる様やその後見せる満ち足りた顔、ジェーンが過去に酔ったり、ピアノマンを呼び寄せた時に無愛想になるブザーも象徴的。
アカデミーもふたりにアイスを与えたら良かったのに。

Kj